愛知県、「低炭素水素モデルタウン実証事業」の一部運用を開始

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【電子版ガスメディア2026年5月26日より抜粋】

愛知県、「低炭素水素モデルタウン実証事業」の一部運用を開始

知多水素ステーションでオープニングセレモニーを開催

全国一の水素ステーション設置数(33ヵ所)を誇る愛知県では、知多市の知多水素ステーションから燃料電池自動車(FCV)だけでなく、公共施設や住宅に設置した燃料電池や水素給湯器など民生用を含めて、幅広い利用先に低炭素水素を低コストに供給する「低炭素水素モデルタウン実証事業」を実施している。

このほど、同実証事業の一部について運用を開始することになり、4月23日、愛知県知多市のガスディーラー、知多髙圧ガス敷地内にある知多水素ステーションでオープニングセレモニーおよび施設見学会を開催した。オープニングセレモニーには愛知県の大村秀章知事、知多市の伊藤清一郎市長、知多水素ステーションを運営する知多髙圧ガスの花井康弘社長ら6人が出席した。

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[ 大村知事、伊藤市長、花井社長らがテープカットに参加 ]

セレモニーでは最初に主催者を代表して大村知事が挨拶。「カーボンニュートラルの実現に向け、次代の脱炭素エネルギーとして期待される水素の社会実装を行うため、愛知県ではこれまで産業部門や運輸部門を中心に水素の普及・拡大を図ってきたが、今後は未開拓である公共施設や住宅などの民生部門の取り組みが大変重要だと考えている。本事業は昨年8月に環境省委託事業の採択をいただき、これまで愛知県、知多市および16の企業と共同で民生部門の水素需要の発掘を目指す取り組みを進めてきた。再生可能エネルギーを活用して製造された低炭素水素を愛知県が全国一の設置数を誇る水素ステーションを拠点として、既存の配送網や新型容器を活用して様々な街利用分野の需要先へ効率的に供給し、利用するという野心的な取り組みだ」と述べた。

さらに「知多水素ステーションの改修や水素ボイラ、燃料電池などの設置が完了し、水素を充填し、運搬して利用する態勢が整ったため、本日から実証事業の一部の運用を開始することとなった。開始するにあたり環境省はじめ知多市、および関係企業の皆様、特に知多髙圧ガス様には厚く御礼申し上げる次第だ。今後も皆様と連携し、国内初となる水素の火葬炉や燃料電池ショベルカー、個人宅での水素ストーブの実証などを進めていく。こうした実証事業を通じて、愛知発で全国に水平展開できる低炭素水素サプライチェーンの事業モデルを構築し、『カーボンニュートラル愛知』を目指す。今後とも皆様のご理解・ご協力をお願いしたい」と述べた。

続いて伊藤知多市長が挨拶に立ち、「知多市は2021年に『ゼロカーボンシティちた宣言』を表明し、2050年までのカーボンニュートルの実現を目指している。その取り組みの一つとして、水素を利用した低炭素な暮らし、基盤づくりを掲げている。二酸化炭素の排出量を削減し、脱炭素社会を構築するためには、臨海部の大規模な需要家に加え、街中においても水素の活用を拡大することが重要だと考えている。また、今回の実証では知多髙圧ガス様の知多水素ステーションにおいて、製造の段階で二酸化炭素を排出しない低炭素水素の製造も予定されている。街利用が広がることで、地産地消型の水素サプライチェーンが構築され、新たなビジネスの確立につながることにも大きな期待をかけている」と述べた。

来賓を代表して愛知県の川嶋太郎県議会議長、環境省中部地方環境事務所の松下雄介所長がそれぞれ事業の成功を祈念する旨の祝辞を述べた後、出席者6人によるテープカットが挙行され、同実証事業は本格的なスタートを切った。

引き続き出席者は水素ステーションのディスペンサーからトヨタ自動車製水素貯蔵モジュール「TC16」に水素を充填し、TC16から減圧ユニット、小分け充填ユニットを通じて高圧ガス容器へ充填される様子を視察した。

説明した知多髙圧ガス福田朝幸執行役員事業本部長は、「水素ステーションの営業に支障がないよう、水素ステーション運営時間外にTC16へ水素を充填する。TC16への充填時は車止めと水素充填中であることを示す警戒標の掲示などで安全対策を実施するほか、非常時には直ちに充填が停止する安全機構を備えている」と安全面でも万全の態勢を整えている点を強調。

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充填のデモンストレーションが行われた

また高圧ガス容器への充填時においては「充填されている様子は小分け充填ユニットに設置された圧力計で確認することができる。カードルやJFEコンテイナー製の新型軽量水素容器『JCラン』へも充填可能」とした。なお、TC16は工事現場に搬送し、FC建機ヘの充填にも利用するほか、水素充填後に発生する残圧を活用した小分け充填も検証しているという。セレモニー終了後は旭公園体育館に設置されている燃料電池、一富士製麺所で使用されている水素ボイラ、レストラン「梅の館」で使用されている水素グリラー、水素コンロ、水素給湯器の施設見学会も開催された。知多水素ステーションは2024年3月1日から営業を開始。当初は外部から水素を調達するオフサイト式だったが、同年7月に水素製造・充填の新工場を稼働させ、現在に至っている。

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