日本の海事産業の国際競争力強化へ、アンモニア燃料船の実用化進む

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【電子版ガスメディア2026年4月28日より抜粋】

日本の海事産業の国際競争力強化へ

アンモニア燃料船の実用化進む

◆船用エンジンでは水素を先行、バルブや検知器など周辺機器の需要増

海運業界のカーボンニュートラル実現に向け、次世代燃料としてアンモニアが大きな注目を集めている。水素燃料も有力視される中、既存のLNG関連技術を転用しやすく、すでに肥料用等での大量輸送実績を持つアンモニアは、エンジン駆動船での実用化が先行している。2024年のアンモニア燃料タグボート「魁」の就航や今年の完成に向けて大型輸送船の建造が進む中、主機関となるエンジンの開発のみならず、バルブやガス検知器、燃焼を安定させるクラッキング技術、さらには安全を担保する除害装置や配管設備に至るまで、サプライチェーン全体で日本の海事産業の強みを結集した技術開発と市場開拓が急速に進展している。

AFMGCのアンモニア燃料エンジン
「7UEC50LSJA-HPSCR」

カーボンニュートラルに資する燃料としては、既に商用運航も行われている燃料電池船などで水素も有力視されているが、エンジンを動力とする船舶ではアンモニアを利用するケースが先行している。日本郵船がプロジェクトを主導する形で、2024年にはアンモニア燃料エンジンを搭載したタグボート「魁」が東京湾を中心に運航を開始したほか、今年11月には大型アンモニア燃料・アンモニア輸送船(以下、AFMGC)の完成が予定されている。なお、「魁」はLNG燃料船からの改造船であり、日本郵船グループの京浜ドックが改造・建造を担当した。また、AFMGCは全長180メートル、最大幅32メートル、総トン数3万トンの大型船で、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)において建造が進められている。

そして、アンモニア燃料船の心臓部となるエンジン領域では、IHI原動機が「魁」の主機関として船舶用4ストロークのアンモニア燃料駆動エンジンを納入した。加えて、11月に引き渡し予定のAFMGCに対しても、船内の電力を供給する発電機用のアンモニア燃料エンジン(補機)を納入する。

一方、同じく船舶用エンジンを手掛けるジャパンエンジンでは、AFMGCの主機関となる船舶用アンモニア燃料エンジン「7UEC50LSJA-HPSCR」を製造し、2025年8月には陸上運転に成功した。

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