イワタニ水素エネルギーフォーラム(東京)開催
イワタニ水素エネルギーフォーラム(東京)開催
間島社長「水素の需要増を見越した供給能力増強に向けた整備を推進」
第19回イワタニ水素エネルギーフォーラム東京が3月4日、東京国際フォーラム(東京都千代田区、岩谷産業主催)で開催され、652人が聴講した。
開会の挨拶で岩谷産業の間島寬社長は「今回は『変化する事業環境と水素の社会実装に向けた挑戦』をテーマに様々な視点からの講演が行われる。石油化石系燃料のコストが高騰するなか、欧州などでは様々な水素のインフラ整備に向けたプロジェクトが進む。当社としても水素社会の実現に『つくる』、『はこぶ』、『ためる』、『つかう』の大規模な水素バリューチェーンを構築するための取り組みを推進している」とコメントした。
その上で、「日本国内では水素社会推進法に基づく「価格差に着目した支援(価格差支援)」において、現在まで合計4件のプロジェクト採択を受けた。そのなかでの1件に当社、豊田通商、ユーラスエナジーが愛知製鋼の敷地において再生可能エネルギー由来の電力を活用し、低炭素水素を製造・供給し、現地で使用する『オンサイト型モデル』の構築に向けて共同で取り組むプロジェクトも含まれている。また、コスモ石油の千葉製油所内で液化水素の製造プラントの建設を進めているほか、川崎市臨海部でも圧縮水素の製造プラントの新設に向けた取り組みを進めるなど水素の需要増を見越した供給能力増強に向けた整備を進めている」と語った。
間島社長
来賓あいさつに登壇した経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部の小林大和部長は「水素等を巡る最近の動きについて」と題し、「今後の水素社会の実現に向けて、グローバルな動向を見据えながら、官民一体となった社会実装の推進がますます重要になっている。今回のフォーラムがその契機となることに期待したい」と述べた。
講演では最初に、アドバンテッジパートナーズで再生可能エネルギー・サステナビリティ投資責任者を務める鈴木圭一氏が「水素ファンドの取り組みとグローバル水素事業の最新動向」と題して登壇し、水素などグリーンエネルギー関連投資の現状や国内外のビジネス動向を解説した。
鈴木氏は「水素などのクリーンエネルギーに関するビジネスではネガティブな情報が伝えられるケースもあるが、持続性が高く、将来的な成長が見込まれる案件はしっかりと前進しており、次の展開に進んでいる。国内外の動向を見ると着実に水素関連のビジネスの規模や件数は増加している」と述べた。
次いで「水素エネルギー社会に向けた現状と展望」をテーマとし、九州大学副学長・水素エネルギー国際研究センター長の佐々木一成氏が登壇した。
佐々木氏は「水素社会の実現など新しい動きに対して、世間は課題があることを指摘するが、試行錯誤によって課題の解決策を発見していくのが研究であり、我々のような『学』の人間に求められる役割だ。当センターとしても課題に耳を傾けながら水素社会の前進に向けて、既に協業しているパートナーはもちろん、新しい仲間を探しながら、研究を進めていきたい」と語った。
次に三菱重工業エナジードメインGTCC事業部ガスタービン技術部技監・技師長の谷村聡氏が「水素ガスタービンの社会実装に向けた取組み」を題目とする講演を実施した。
谷村氏は同社が進める発電用ガスタービンの開発状況などを紹介し、「既存のインフラを活用しながら段階的に脱炭素化を進める上で、水素ガスタービンの役割は極めて大きい。技術的な課題を克服し、クリーンエネルギーの安定供給に貢献していきたい」と説明した。
最後に東京都産業労働局新エネルギー推進担当部長の服部勇樹氏が「水素エネルギーの普及拡大に向けた東京都の取組について」をテーマとし、大都市における脱炭素化に向けた具体的な施策や支援策を説明した。
服部氏は「東京都では、昨年始動したTOKYO H2 プロジェクトやグリーン水素製造拠点の整備やトライアル取引の実施や燃料電池モビリティ導入に対する補助金をはじめとして、水素利用の拡大に向けた支援策を展開している。社会実装を後押しするためには、需要創出とインフラ整備の両輪を回す必要があり、都民や企業の理解を深めながら取り組みを強力に推進していきたい」と語った。

