【2026年9月8日更新】JFEテクノリサーチ、水電解評価試験装置を発売
【電子版ガスメディア9月8日号より抜粋】
JFEテクノリサーチ、水電解評価試験装置を発売
グリーン水素製造技術の研究開発を支援
JFEテクノリサーチはこのほど、グリーン水素製造技術の研究開発を支援する「水電解評価試験装置」の販売を開始した。同装置は水電解単セル(水電解装置を構成する最小単位の電解反応セル)に対して電流、電圧、温度、流量、圧力などの条件を精密に制御。初期性能から長時間の耐久性まで一貫した電解性能評価を可能にし、水電解セルの各種部材の研究開発やセル設計に有益な試験データを提供する。
近年、水素のなかでも再生可能エネルギー由来の電力と組み合わせることで二酸化炭素(CO2)を排出しないグリーン水素を製造する水電解技術の研究開発が世界的に活発化。開発を加速させるためには、材料や触媒の性能を正確に評価できる試験環境が不可欠となっている。
しかし従来の水電解評価試験では、配管や接液部に使用する金属材料から溶出した金属イオンが試験結果に影響を与える場合があった。PEM(固体高分子形)水電解では電解質膜の劣化促進要因となる可能性があり、AEM(アニオン交換膜形)水電解ではアルカリ環境下での金属腐食の懸念が存在。こうした背景から、より高精度で再現性の高い評価環境が必要とされていた。
JFEテクノリサーチは、水電解関連の受託評価試験を通じて蓄積した技術とノウハウを活用。利用者が自ら評価試験をおこない研究開発のスピードアップに貢献するため、本製品を開発し商品化した。
同装置の最大の特徴は、試験液が接触する配管や流路などの接液部に金属材料を一切使用しない「金属フリー構造」を採用した点だ(セル本体は金属製)。これにより金属イオンの溶出による試験への影響を抑制し、触媒、電解質膜、電極、ガス拡散層など部材本来の性能を高精度に評価可能。PEM形だけでなくAEM形においても、金属腐食や不純物混入の影響を低減し、信頼性の高い評価環境を構築する。
また太陽光や風力発電などの変動電源との連携を想定し、起動と停止を繰り返す間欠運転条件での評価も重要視。ポテンショスタット(電位制御電源)をオプション設定することで、PEM形水電解セルの起動停止模擬試験にも対応可能とした。実用環境を模擬した条件下で劣化挙動を把握し、材料選定や設計最適化に活用できる。
柔軟性の高い評価が可能なマニュアル仕様から、効率的に評価を進めるプログラム制御仕様まで、開発ステージや評価目的、予算に応じた装置構成を提案。セル内部に圧力を与えた状態で評価する背圧制御などの機能追加にも対応しており、研究開発フェーズから実用化検討まで幅広く活用を見込む。装置導入後も、試験条件設定などの技術サポートや、溶液、部材の分析および評価などの有料受託サービスにより、研究開発を継続的に支援していく。
JFEテクノリサーチは「これまで培ってきた評価・分析技術と計測制御技術を活かし、水電解をはじめとする次世代エネルギー分野の研究開発支援を強化する。装置販売に加え、受託評価や分析サービスと組み合わせたトータルソリューションを提供することで、技術開発を幅広く支援していく」と述べた。

