【2026年9月15日更新】岩谷産業、カセットボンベの 可能性を広げる製品開発を推進
【電子版ガスメディア9月15日号より抜粋】
岩谷産業、カセットボンベの
可能性を広げる製品開発を推進
カセットボンベの国内トップメーカーである岩谷産業は、新領域の開拓により新たな価値を創出するべく、日常から防災まで多様なシーンを想定した製品開発を進める。同社ではカセットボンベの最大手としてニーズに応える製品の投入やクラウドファンディングを活用した画期的な商品の展開、製品開発で培われた技術の防災インフラへの応用など、カセットガスの可能性を広げる取り組みを進める。
2025年度において、国内におけるカセットガスの販売数量は1億7600万本、カセットこんろの販売数量は361万台を誇り、人々の暮らしを支えるカセットボンベの国内最大手である岩谷産業では、カセットガス関連製品の開発・販売を通じて新たな価値を社会に創出してきた。同社は6月―7月にかけて、北海道、東京、大阪、福岡、沖縄の5都市で「2026年度商品セミナー」を開催。「Life with Iwatani~気づけば、そばに。~何気ない日常から、いざという時の備えまで」をテーマに掲げた同セミナーでは、季節ごとの商品提案を軸に幅広い商品を展示。今秋発売開始予定の新商品や開発・試作中の製品が披露された。
その中で、同セミナーで展示され、9月15日に発売を開始した新商品「炙りの匠」はカセットガス式卓上炉端焼機「炙りや」がタフでスタイリッシュな仕様に進化。10月以降順次発売する、別売りの専用アクセサリーと組み合わせることで、串焼きと同時に焼肉や鍋など自由な使い方を楽しむことができる。「炙りの匠」のほか、省スペースと機能強化を実現した新たなカセットガス式の暖房器具や、カートリッジガス式サウナ(開発中)などインパクトのある製品も公開され、来場した小売店のバイヤーらから多くの関心を集めた。
また昨今、クラウドファンディング(CF)サイトを活用して公開し、大きな成果を上げた製品も公開。同社がCFサイト「マクアケ」で先行販売を実施したカセットガス式の炊飯器やインテリア暖炉、コーヒー豆焙煎機は、いずれも目標額の30倍以上となる売上を達成。こうした数字的な目標の到達は、開発現場のモチベーション向上や社内外で応援される商品作りに貢献するとともに、一般販売に向けたテストマーケティングやPR効果に加え、顧客のフィードバックをさらなる新製品のアイデアへ有効活用する好循環を生み出しているという。
また同社は洗練されたデザインや独自の機能で生活を彩る製品を展開する一方で、家庭でも保管が可能で小型かつ備蓄が容易な燃料である点を活かした製品開発や市場開拓も進めている。現在、来年以降のCFでの公開を目標に、カセットガスで熱を生み出すテントサウナの開発を進めているが、同社はサウナの製品開発で培われた技術を防災インフラへ応用していくことも視野に入れる。
同製品の開発に関わる同社の担当者は「元々カセットガスを利用するこんろやストーブは電源が不要なため、日常での屋内の利用から屋外や災害時まで幅広く使える。そして、テントサウナの開発で培われた『少ない本数のカセットガスで高出力の安全な燃焼を可能にする技術』は、非常時用の大型防災製品にも応用できるポテンシャルを秘めている。例えば、災害時にも使うケースのある大人数向けの炊き出しセットや、避難所における大型暖房設備の燃料などに、防災インフラとして備蓄が容易なカセットガスを利用して貢献できる可能性もある」と語る。
カセットガスが活用できる領域が拡大するなかで、同社は製品の安全対策にも注力している。現在、同社はガス検知器メーカーである新コスモス電機と共同で、カセットガスに含まれるブタンやLPGの漏れを検知できる家庭用システムの開発を進行中だ。
前出の担当者は「カセットガスは個人が持つことができる燃料インフラであり、生活での利用から娯楽および非常用まで様々な利用が可能だ。だからこそカセットガスメーカーとして安全を守るための製品についても社会をリードできるような製品開発を進めていきたい」と述べる。

