群馬県で日本最大規模の高校生溶接コンクール開催 利根実業高校(溶接ニュース2024年2月13日号より)

技能者
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 群馬県で大規模な高校生溶接競技会

群馬県では、2024年1月27日に「群馬県学生溶接技術競技大会(群馬県・群馬県溶接協会共催(産報出版後援)」が実施された。このコンクールは、溶接において、腕に覚えのある高校生が、県内10校・約70人参加する大規模なイベントとなる。

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競技の説明を受ける参加選手

参加人数の多さから、今回は、前橋産業技術専門校溶接技術科実習場(前橋市)、高崎産業技術専門校溶接エキスパート科実習場(高崎市)、太田産業技術専門校溶接技術科実習場(太田市)の3拠点で、同時開催された。

各会場で製作された溶接作品は、後日、1ヵ所に集めて採点するという。

競技種目は、被覆アーク溶接、炭酸ガスアーク半自動溶接の2種目だ。

被覆アーク溶接の部は70人、半自動溶接の部のみの参加者はゼロ、両種目への参加選手は32人(申込書ベース)。被覆アーク溶接の部で腕を競った上位2選手は、次のステージに駒を進めることができる。

当日、最も参加者が多い前橋産業技術専門校溶接技術科実習場では、4校31人が参加。

前橋地域でコンクールに参加した、利根実業高校の参加選手に話を聞いた。

 参加選手の声

■宇敷怜奈選手(利根実業高校3年生、画像左から2番目)

3年生になり、後輩に溶接を教えることが増えた。利根実業高校では、放課後になると、20人程度で溶接の練習をしている。

他の部活動からの参加者が多く、わいわいと溶接技術について話し合う環境は、高校生活の1ページになった。

私は、2023年度のコンクールにも出場しており、炭酸ガスアーク半自動溶接の部で優勝することができた。

24年度のコンクールでは、昨年度と異なり、被覆アーク溶接の部に出場しているが、もちろん優勝を目指している。

練習している時は、溶接を始める時に、金属板に穴をあけてしまうことが多く、溶接作業の最初の1点目の練習を続けてきた。本番ではうまくいってほしい。

■仲澤由依選手(利根実業高校3年生、画像左)

「熱を込めすぎて金属板に穴をあけないこと」「溶接した外観を整えること」の2点に注力して練習してきた。

溶接外観を美しく整えるためには、溶接棒と金属板の距離を一定に保ことが1番重要だ。

一定量、どのように溶接すればうまくいくのかの条件を整えてきた自負があるので、学んできた技術を発揮したい。

溶接を学んだことで、ものづくりに興味が湧き、将来は設計を中心としたIT分野で、ものづくりに貢献したい。

■上岡拓巳選手(利根実業高校2年生、画像左から3番目)

コンクールに向けて練習していた時に、とても調子が良かったので、コンクールでの結果には自信がある。

利根実業高校では、溶接の練習を、主に放課後に行っている。優しい先輩や、楽しい同年代に恵まれたこともあって、とても楽しい時間を過ごせた。

来年は3年生になるため、後輩に溶接作業をしっかりと、教えられるようにコンクールでは結果を残したい。

溶接棒の角度と、溶接棒と金属板の距離に注意して金属板の溶接外観を整えることを重視して本番に臨む。

■小山創太選手(利根実業高校2年生、画像右)

「ハンカチ王子」「ハニカミ王子」「フェンシング王子」

王子と名乗るあだ名は数多くある中で、私のあだ名は溶接王子だ。

すぐにその気になる性格が後押しして、自分でも溶接王子を名乗っている。

若干、あだ名が校内で定着してきたため、コンクールでは、王子と呼ばれるにふさわしい結果を残したいと思っている。

利根実業高校には、溶接を練習する仲間が、他校と比べると比較的多くいる。毎日色々な人と溶接について意見交換しながら練習できるのは利根実業高校の魅力ではないだろうか。

将来の夢はもちろん溶接士だ。

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溶接競技中の様子

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