縁の下で全国大会支えた高校生 富山工業高校機械工学部
(「溶接ニュース」2025年11月11日付 10面より)
全国から集まった精鋭が溶接技能の日本一を競う「第70回全国溶接技術競技会北陸地区富山大会」が10月5日、富山県高岡市のポリテクセンター富山で開催された。
競技部門は被覆アーク溶接(手溶接)と半自動溶接(半自動)の2部門で、47都道府県の競技会を勝ち抜き代表選手となった112人に能登半島沖地震復興支援の特別枠選手2人を加えた総勢114人(各部門57人が出場)が参加し、優勝を目指して熱戦を繰り広げたのが記憶に新しい。
熱戦が繰り広げられる中、実は会場には500人近い関係者が集まっていた。つまり、選手を遥かに凌ぐ人数が、全国大会の舞台裏で、溶接士の競技進行を支えているということだ。スムーズな大会進行に協力していた一つが富山工業高校機械工学部の学生。当日、選手が使う邪魔板などを、迅速に保守点検していた。本記事では、同高校の学生と機械工学部顧問の和田晋一先生に感想を尋ねた。

(邪魔板のスパッタを取る高校生)
和田晋一先生
全国大会という大きな舞台に高校生という若い段階で関わることができるのは、非常に有益な機会になると考え参加させていただいた。溶接士を志す学生も、そうではない学生も、日本屈指の技能者の緊張感や姿勢に触れて、大いに吸収してほしい。

(和田先生)
西村風斗さん
日々、仕事として溶接を行っている溶接士の大会ということもあり緊張感が伝わってきた。せっかくの非日常を楽しみたい。
(西村さん)
平瀨大樹さん
日本トップクラスの溶接士の溶接ビードを見た。高校で見る技術とはレベルが違い、驚いた。

(平瀬さん)
玉川恭兵さん
高校生の溶接競技会とは作業工程が異なり、それを間近で見られたのは非常に面白かった。

(玉川さん)
髙原優太郎さん
部活動で溶接に触れている。学生ばかりの空間で溶接をすることが多いため、様々な年代の溶接関係者が競技に臨む様子は緊張感があった。
(髙原さん)
杉本実さん
高校生の競技会に参加しており、普段は「出場する側」なので裏方の苦労がわかった。
(杉本さん)
袖野恵太さん
高校生の部よりクローズドな印象を受け、独特の緊張感が勉強になった。
(袖野さん)
髙田一輝さん
全国大会という大舞台に関わる機会は滅多にないと聞いたため、参加できて嬉しい。大勢の社会人に触れる機会も少ないため、貴重な経験になった。

(髙田さん)
(「溶接ニュース」2025年11月11日付 10面より)



