女性や高校生も参加し熱戦 滋賀県溶接協会が溶接技術競技会を開催
(「溶接ニュース」2025年5月20日付 10面より)
滋賀県溶接協会(齊藤拓真会長)は4月5日、大津市のポリテクセンター滋賀で第53回溶接技術競技会を開催。アーク溶接の部8人(うち高校生3人)、半自動溶接の部20人の計28人が熱い戦いを繰り広げた。
競技に先立ち、土沢会長が挨拶に立ち「溶接業界では人手不足が深刻で、若手や女性、外国人などに活躍してもらうことが大切だが、今大会では、八幡工業高校の生徒や女性の参加があり、大会の行う意味を感じている。三菱ロジスネクストなど、新たな参加者もいる。ぜひ、この機会に交流を深めて成長につなげてほしい」と語った。
(齊藤拓真会長)
昨年に引き続き、今年も八幡工業高校の生徒3人も参加した。ことし初めて参加した2年生の吉川裕馬さんは「日ごろは機械科で勉強しているが、溶接に興味があり機械工作部で活動している。今後は技能者評価試験にもチャレンジしたいと考えている。今日は初めての競技会で緊張しているが、がんばりたい」と語った。
(競技風景)
また、今回、滋賀県では初めて、三菱ロジスネクストから6人が参加した。同社の生産本部市が製造部特機課長の岩本明さんは、今回の参加について「今回は技術よりも、参加意欲のある人を優先的に選んだ。溶接の業界はどこも人材不足。こうした大会に出ることで、溶接業界を盛り上げ、溶接に愛着を持っている人を育てていきたい」と語った。同社からは、唯一の女性である坂永はるかさんも参加。坂永さんは、溶接工としては8年ほどのキャリアがあり、昨年、三菱ロジスネクストに入社。「これまでチャンスがなかったが、競技大会に出てみたいと思い、参加の呼びかけに応じた。競技会に出ることで、自分の技術の調達が目に見えて分かるのでうれしい。緊張もあるが練習の成果を出したい」と話した。
(坂永はるかさん)
(「溶接ニュース」2025年5月20日付 10面より)