新来島サノヤス造船がLNGタンク自動溶接、小型可搬型ロボットを活用し人員不足解消へ

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写真は(株)新来島サノヤス造船(岡山県倉敷市)にて9%Ni鋼を使用し、ロボットを活用した自動溶接で製造したLNG燃料タンク本体。溶接金属のニッケル含有量が高いフラックスコアードワイヤ(FCW)を使用しており、施工者の高い技能とシビアな施工条件が求められる。その中でタンク本体長手方向継手において、神戸製鋼所製9%Ni鋼用FCW「DW-N609SV」と小型可搬型9%Ni鋼用溶接ロボットシステム「KI-700」を導入した。

このロボットは神戸製鋼所グループであるコベルコROBOTiX(株)の「石松」をベースに9%Ni鋼を対象とした小型可搬型溶接ロボットシステム。実際のタンクを想定した長距離溶接テストや最適な開先形状の検証等、神戸製鋼所の協力のもと約2年間試行錯誤しながら実験を繰り返し行い、良好な結果が得られたため実運用に至ったという。

ロボットの特徴としては、従来使用していたロボットと異なり、開先形状の自動センシング、最適な溶接施工条件の計算、溶接中の各種施工条件微調整を自動で行うため、ロボット操作者に高度な溶接技能を必要としない。長手方向継手溶接の施工者に対する技能訓練も必要なく、人員不足問題の解消に寄与する。安定した高品質での溶接施工で、タンク本体建造の円滑化に貢献する。

同社は、今後も自動溶接機などの新たな技術を取り入れることで、自動化と高品質化による溶接作業の効率向上に取り組んでいく。【溶接技術8月号より抜粋】

⑤ 胴リング製作状況.JPG
自動溶接を使って製造したタンク
自動溶接.jpg
ロボットによる溶接
ビード外観(全線).JPG
ビードの拡大図
溶接中.JPG
垂直方向の溶接

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