フレッシュマン講座 ー溶接の関連資格ー

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 溶接に関する要員資格には、溶接管理技術者、溶接作業指導者、溶接技能者、溶接検査技術者などがある。
 日本溶接協会は、溶接管理技術者、溶接技能者など要員の資格を認証する要員認証機関の第1号として、1999年3月に日本適合性認定協会から認定されている。そしてこのシステムに基づいて、鋼構造物の溶接施工に欠かすことのできない溶接管理技術者および溶接技能者の資格を認証する。

■溶接管理技術者
 鋼構造物の製作に当たり溶接・接合に関する設計、施工計画、管理などを行う技術者の資格。単に施工管理をするだけでなく、前後の管理業務に関与し、広い視野で総合的に溶接品質を確保する役割を担う。
 この資格はJIS Z 3400「溶接の品質要求事項―金属材料の融接」で要求されている溶接管理技術者に必要な資格であり、建築鉄骨の製作工場の認定要件にも挙げられるなど、広く一般の溶接構造物の信頼性安全性の確保に対する社会的要請に応える資格として活用され、公的にも国際的にも認識されてる。日溶協では毎年6月と11月に特別級、1級、2級の評価試験を実施している。溶接管理技術者のための研修会も毎年4月と8月下旬から9月にかけて全国各地で行う。また産報出版では、次の受験図書を発行する。
▽溶接・接合技術総論(WES 8103 特別級・1級用テキスト)
▽新版改訂 溶接・接合技術入門(同 2級用テキスト)
▽筆記試験問題と解答例(特別級・1級、2級)

■溶接技能者
 鋼構造物の製作で溶接作業に従事する溶接技能者の資格で、溶接作業を行う技能者の技量を一定の基準(JIS、WESなど)に基づき全国で評価試験を行い、資格の格付けと認証を行う。
 この資格は、発注者からの溶接施工に関する仕様書などで要求される溶接品質を確保するために、製作者が信頼性を証明する手段の一つとして、例えば建築鉄骨の製作工場認定の要件や、JIS Z 3400に基づいて溶接施工を行う場合の溶接技能者となるなど、広く一般の溶接構造物の信頼性、安全性の確保に対する社会的要請に応える資格として活用され、広く認識されている。日溶協が実施している「溶接技能者認証」は、日本の代表的な溶接技術検定制度であり一般的には「JIS検定」として知られている。
 主な資格の種別は手溶接技能者、半自動溶接技能者、ステンレス鋼溶接技能者などです。資格の種類は溶接方法、溶接姿勢、試験材料の種類と厚さ、溶接継手と開先形状、裏当て金の有無などにより区分される。主な受験図書には、「新版 JIS手溶接受験の手引」、「新版 JIS半自動溶接受験の手引」、「新版 JISステンレス鋼溶接受験の手引」などがある(発行は産報出版)。
 また日溶協では2015年からJIS、WESなどの国内規格に基づく溶接技能者の認証とは別に、国際規ISO9606-1に基づく溶接技能者の認証も開始している。

■溶接作業指導者はどんな資格ですか
 溶接現場で状況の変化に応じて処置判断を行う「作業長」や「班長」など現場で指示・監督する立場にある人を主な対象とする資格。WES8107「溶接作業指導者認証基準」に基づく資格認証です。熟練した溶接技能と実務経験を重要視するため、受験資格は満25歳以上とし、一定の技能資格の取得と実務経験を条件とする。日溶協は溶接の一般的な知識に加えて、品質管理や安全管理、設計や非破壊検査の基本的な知識を学ぶ3日間の講習会と筆記試験を年2回行っている。
主な参考図書には、「新版 溶接実務入門【増補3版】」がある(発行は産報出版)。

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