県内6工業高校から10人が参加 千葉県溶協、高校教諭向け溶接講習会
(「溶接ニュース」2025年9月9日付 10面より)
千葉県溶接協会と千葉県高等学校工業教育研究会は8月25・26日の2日間、千葉県君津市のサンキュウサーチアンドクリエイト東日本能力開発センターで2025年度高校教諭向け溶接講習会を開催。県内工業高校6校から10人の教諭が参加した。
この講習会は、工業科教職員の指導力向上と生徒の研修機会の充実を目的としたもので、参加者が座学の講
義と実習を通して、溶接の基礎知識や技術を学ぶ内容になっている。
(実技講習の様子)
参加者は、溶接機の取り扱いや溶融池の見極めなど基礎知識、安全上の注意点などの講義を受けた後、実習へ。溶接経験の有無などレベルに応じて班分けを行ったが、ほとんどが未経験だった。未経験班は、鉄板に下向で溶接ビードを引くビードオンプレートからスタートし、最終的には高校生ものづくりコンテスト全国大会溶接部門の課題である溶接技能者評価試験の「N-2F」に準じた被覆アーク溶接(手溶接)、中板(板厚9ミリ)の裏当て金なし、下向突合せ継手(V開先)の溶接を目指す。
溶接初心者が多いため、肘の角度など溶接姿勢に対する指導が目立ったが、受講者からは「ビードを真っ直ぐ引くのが難しい」という声が続出。これに対する指導員の「ビードオンプレートでビードを真っ直ぐ引くのはプロでも難しい。実際の溶接は、開先を見ながらビードを引くため、真っ直ぐに引きやすくなる」という説明に受講者が胸をなで下ろす場面もみられた。
(受講者・指導員一同)
また、講習に先立つ開会式の中で、千葉県溶接協会の廣田二郎会長は「溶接の実習が面白くなれば、学生が溶接に興味を持ってくれると期待している。本日の受講者の多くは溶接の初心者だが、まずは溶接を楽しんでほしい。また、猛暑の中、熱中症に気をつけ、適度に休憩を取りながら講習に臨んでほしい」などとし、講習の成果に期待を寄せた。
(「溶接ニュース」2025年9月9日付 10面より)