全国選抜高校生溶接技術競技会 優勝は村上(被覆アーク)、橋本選手(炭酸ガス)
(「溶接ニュース」2025年8月12日付 1面より)
第9回全国選抜高校生溶接技術競技会in新居浜が8月1日、愛媛県新居浜市の日本溶接協会四国地区溶接技術検定委員会実技試験場で行われ、被覆アーク部門は村上慧選手(岩手県立種市高校)、炭酸ガスアーク部門は橋本侑磨選手(愛媛県立今治工業高校)が最優秀賞を獲得した。優勝した2人とともに入賞者は賞状と副賞を獲得した。大会には17道県から36人の選手が出場した。
(優勝した村上選手(右)と橋本選手)
競技内容は9ミリのV形開先・裏当てなしで競技時間は15分。これに準備と後片付けにそれぞれ5分ずつが加わる。審査は外観(80点)とX線(100点)。今回はX線での評価が高く、奈須善彦審査委員長は「被覆アーク部門で0.5ミリの欠陥もなかった選手が8人いた。プロの目から見てもこれは大変なこと。炭酸ガスアーク部門でも100点満点が6人いた」と高く評価し、「溶接はしっかりつながっていることが一番大事で、調子が良くないときでも一定レベル以上を確保できていることが望ましい。外観にこだわると電流値を下げる傾向にあるが、そうなると一層目が凸型になって溶かせないことがX線で出てくる」と話した。
大会は新居浜市が「ものづくりのまち」であることを全国へ発信するため、市の事業として2017年から行われている。参加選手は8地区の溶接協会連絡会での選考を経て決まる。四国以外は各種目で2人まで。四国地区は、四国地区の高校生溶接技術競技大会の各種目の成績上位3人が出場し、新居浜市内の1人も開催地枠がある。参加費は無料で、選手の交通費と宿泊費は半分が大会実行委員会から支給される。
なお、昨年は大会の様子がテレビ朝日「ナニコレ珍百景」で紹介されたほか、愛媛県のあいテレビ(TBS系列)で「溶接は青春だ」と題する30分番組が放映されている。あいテレビは今年も精力的に取材しており、時期は未定だが放映が予定されている。入賞者は次のとおり。
【被覆アーク溶接】最優秀賞(日本溶接協会賞)=村上慧 ▽優秀賞=松本亜美(兵庫県立兵庫工業高校)▽優良賞=濵井颯太(神奈川県立向の岡工業高校)▽産報出版賞=正垣大翔(兵庫県立姫路工業高校)▽KOBELCO賞=三浦隼斗(愛媛県立吉田高校)▽WELDREAM賞=岩本尚征(愛知県立愛知総合工科高校)
【炭酸ガスアーク溶接】最優秀賞(日本溶接協会賞)=橋本侑磨▽優秀賞=城畑有玖(北海道苫小牧工業高
校)▽優良賞=鳩川容将(兵庫県立姫路工業高校)▽産報出版賞=清水雄陽(愛媛県立新居浜工業高校)▽KOBELCO賞=松井蒼空(群馬県立利根実業高校)▽WELDREAM賞=野阪海翔(福井県立科学技術高校)
(「溶接ニュース」2025年8月12日付 1面より)