4部門に48選手が出場 京都府溶接技術競技会 京都府溶協
(「溶接ニュース」2025年5月13日付 6面より)
京都府溶接協会(伊藤佳治会長)は4月26日、長岡京市内のポリテクセンター京都で「令和7年度京都府溶接技術競技会」を開催した。当日は4部門に48人が参加し、溶接技量を競った。
例年5月に開催している同競技会だが、今年は全国大会や関西大会などのスケジュールの関係上、約3週間前倒しして4月の開催となった。競技は被覆アーク溶接、炭酸ガス半自動アーク溶接・裏当金なし部門に加え、溶接技術の普及と向上を目的に、より多くの人が参加しやすいよう炭酸ガス半自動アーク溶接・裏当金ありとティグ溶接(課題はステンレス鋼と軟鋼の2鋼種)部門を設けている。また個人戦のみならず、同じ事業所内で3人1チームを編成し、部門を問わず3人の総合点で競う団体戦を実施するなど、独自性を有する競技会となっている。なお、全国競技会および関西大会には、被覆アーク溶接と炭酸ガス半自動アーク溶接・裏当金なし部門の優勝者が京都府代表として選出される。
競技課題は、被覆アーク溶接と炭酸ガス半自動アーク溶接・裏当金なし部門については全国大会と同様、薄板(板厚4.5ミリ、立向姿勢、邪魔板あり)と中板(同9ミリ、横向姿勢、邪魔板あり)の二つの課題を採用。一方、炭酸ガス半自動アーク溶接・裏当金あり部門は中板(同9ミリ)を使用し、邪魔板がある立向姿勢と邪魔板のない横向姿勢を課題とし、ティグ溶接部門はステンレス鋼(同3ミリ、立向姿勢)と軟鋼(同3.2ミリ、横向姿勢)の2鋼種で溶接技量を競う。4部門とも予めタック溶接した競技材を用い、40分間の本溶接で仕上げる。今年の競技会には被覆アーク溶接に10人、炭酸ガス半自動アーク溶接・裏当金なし7人、同・裏当金あり26人、ティグ溶接5人が出場。団体戦には14チームがエントリーした。
(競技に臨む選手(ティグ溶接部門))
開会式で伊藤会長は「近年、溶接技術が高度化する中、溶接機器や材料などの新たな技術や製品が開発されていることに加え、溶接士のより一層の技量向上が求められている。当競技会が選手各位の技量向上に寄与することを願っている。本日は、日頃の努力の成果を遺憾なく発揮し、良い作品を残してくれるものと期待している」と述べたのに続き、来賓を代表してポリテクセンター京都の中村公俊所長と、審査委員長の京都大学大学院工学研究科の聲高裕治教授が挨拶し、選手にエールを送った。
(伊藤会長)
競技は4班に分かれて行われ、午前9時40分、ホイッスルの合図で第1班が競技を開始。この日に向け練習を積んできた4部門の選手らは、その成果を発揮すべく、練習通りの手順や溶接条件、姿勢などを一つひとつ丁寧に確かめながら競技に臨んでいた。審査は外観(表・裏)と曲げ試験(表・裏)および不安全行為などで総合評価し、6月19日の表彰式で上位入賞者を表彰する予定。
(「溶接ニュース」2025年5月13日付 6面より)