指定機関が高校生向けに教育研修を実施 (未来の溶接士たち)
(「溶接ニュース」2025年1月14日付 14面より)
各地区の指定機関では若手人材の育成を図るため、高校生向けの溶接研修や高校生溶接技術競技会の参加校へ溶接のプロフェッショナル(現役溶接士)や溶接事業所OBから成る講師団を派遣し出前講習を行うなどの事業を実施している。
その一例として、東京都溶接協会では昨年に続き今年も8月8・9日の2日間、足立区にある城東職業能力開発センターで高校生を対象とした溶接研修会「夏フェス」を開催した。都内の工業系高校6校から生徒23人、教員6人が参加し、被覆アーク溶接、半自動溶接、ティグ溶接など様々な溶接を体験。東京都溶接協会は高校生の溶接初心者を主な対象に「溶接に興味を持ってもらう」、「技術向上の楽しさを感じてもらう」との目的で実務者が講師を務める溶接研修会を開催している。過去に「参加して溶接研修を行った学生が溶接コンクールに出場し、そのまま溶接士を志すようになった」というケースもあり、学生・企業にとっては就職活動のより良い機会になっている。
(溶接のプロが実技指導)
千葉県溶接協会は3月28・29日の両日、千葉県君津市のサンキュウリサーチアンドクリエイト東日本能力開発センターで高校生溶接実習を開催し、4月に開催の関東甲信越高校生溶接コンクールの千葉県代表選手を含む高校生4人が実習を中心に溶接の基礎を学んだ。同実習は、コンクール出場を目指す工業高校生を対象に毎年開催している。元々、関東甲信越高校生溶接コンクールの千葉県代表選手を対象に競技課題を教材として正しい溶接姿勢や溶融池の見極め方などの溶接の基本を教えていたが、近年は代表選手以外の受講を希望する生徒も受け入れるようになった。
これらはまた、高校生に対して溶接界の門戸を広く開放しようという試みと言えよう。
(「溶接ニュース」2025年1月14日付 14面より)