長野県最高の溶接技能者 手溶接・半自動、両選手インタビュー

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長野県溶技術コンクール表彰式

5月8日、長野県工業技術総合センター(長野市)に県内の習熟した技能を持つ溶接士が集まり、第63回長野県溶技術コンクールの表彰式を開催された。

同コンクールは被覆アーク溶接の部(手溶接)、炭酸ガス半自動溶接の部(半自動)の2種目で、県内の溶接士41人が溶接技能を競ったものだ。

今回のWelding Mateでは、長野県の最優秀賞に輝いた手溶接の小林航大選手(羽生田鉄工所)と、半自動の望月昭太選手(前田鉄工所)に意気込みと溶接の魅力について話を聞いた。

集合写真.JPG

優勝者インタビュー

小林選手(左)望月選手(右).JPG小林選手(左)、望月選手

■小林選手

レントゲン試験の点数が思うようにいかなかった。鋼板を正確に、かつ適量、溶かすことができるように練習し、全国大会に臨む。溶接条件を一つひとつ試し、私にとっての最適値を見つけることでしか理想の溶接には到達できないため、日々、研鑽していく。

溶接の魅力は、外観と品質で、精度が確認できる点。過去の自身の溶接ビードが記録として残っているため、過去の自分と比較することが可能で、成長を実感しやすい。溶接技能の魅力は伝わりにくいため、「多くの人が興味を持つわかりやすいアピールポイント」があれば、トーチを試しに握ってみる人が増え、広がっていくのではないかと考えている。

■望月選手

前回の長野県大会も優勝しているため、全国大会は2回目になる。昨年、初めて全国大会に出場し、他県の代表選手による溶接作品の外観のレベルに圧倒された。しかし、溶接作品の溶込みの状態においては、トップ層の選手と大きな力量の差はないと感じている。外観精度が向上するとともに、良い溶込みの状態をキープできる溶接条件を見つけて全国大会に臨む。

溶接の魅力は、やればやっただけ上達する点。また、それが溶接ビードとして確認できる点だ。一方で、勘所が大切なため、溶接士が魅力的な仕事であることを、大勢の人に伝えるのは難しいだろう。溶接作業特有の達成感などを、伝わる人に丁寧に、地道に伝えていくことが溶接業界の発展に繋がると考えている。

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