キーワードは『レーザ溶接とロボティクスの連携』-第28回北京エッセン溶接・切断フェア レポート-

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アジア最大級の溶接・切断技術に特化した国際展示会「第28回北京エッセン溶接・切断フェア」が2025年6月17日~20日に上海新国際博覧中心で開催された。主催は中国機械工程学会(CMES)、ドイツ溶接協会(DVS)、メッセエッセンGmbHで、発表によると、出展企業数は国内外から820社を越え、昨年の同会場での開催時の620社を大きく上回った。4日間の累計新規来場者数は30,709名で、そのうち海外からの来場者は104カ国2,261名であった。中国機械工程学会は「前例のない規模で溶接・切断業界の最先端の技術を提示した」との声明を出した。

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(会場の模様)


●産業戦略「中国製造2025」10年の節目

中国は「製造大国から製造強国」への転換を国策として推進してきた。2015年に政府が打ち出した産業戦略「中国製造2025」を背景に、新エネルギー自動車や宇宙・航空・鉄道、ロボットなど10の重点分野を定め、製造業の高度化、国際競争力の向上を目指してきた。目指すゴールは、建国100周年に当たる2049年での「世界の製造強国の先頭グループ入り」で、今年はその長期戦略の10年目の節目に当たる。当然多くの重点分野で基幹技術として貢献する溶接・切断産業への期待と注目も大きい。

そこで本紙は、主催団体のひとつである中国機械工程学会の幹部である王国彪副会長、張喜軍事務総長、陸大明元副会長らと会談の機会を持ち、この10年の手応えを聞いた。

中国の溶接産業は、原材料から装置、そしてシステム統合まですべてを国内で完結できるまでに成長したという。造船、自動車、工業設備、海洋構造物など、適用分野は急速に拡大し、「先進国との技術ギャップは最小限となっており、特にレーザ加工や自動化制御においてはグローバルでも十分な競争力を持つ」と大きな自信を示した。

盛況の開催となった「第28回北京エッセン溶接・切断フェア」は、まさに中国の製造強国としての自信と、市場への期待や確信を熱く感じるものとなった。

「溶接ニュース」2025年7月1日号では、約100社が結集した「産業レーザホール」の模様、溶接ロボット展示で大きな存在感を示した企業紹介、日系企業の出展と中国市場への期待など詳細なレポートをお届けする。ご期待いただきたい。

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