奥創光子技術社 コスト5分の1 フェムト秒量産体制目指す

レーザ加工
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2018年に創業したレーザ加工装置メーカーである中国の奥創光子技術社は、このほど、シリーズA+で中ベンチャーキャピタルの廬峰投資社などからの資金調達に成功した旨を発表。昨年9月にシリーズAで約20億円を調達していた背景もあり、1年間に2回目の資金調達を実施した。

奥創光子技術社はフェムト秒レーザの光源・モジュールなどの研究・開発と、それを使ったレーザ加工装置の生産を生業としている。

強みはフェムト秒レーザ加工装置のコア部品の大部分を自社開発・生産しているため、生産コストが圧倒的に低いことで、日本、アメリカ、ドイツなどで生産されているフェムト秒レーザと比較した時の、導入コストが5分の1程度に抑えられるとしている。同社製レーザ加工装置の主なユーザーは、システムインテグレーターや研究機関で、開発・生産に関わっている従業員は約200人。うち50人程度が修士号以上の学位を取得している。 

また、同社ではレーザ加工装置の生産ラインにおけるプロセス構築を開始した。これに対して、同社で代表を務める邱氏は、「当社のフェムト秒レーザは、修士号以上の人材が施行錯誤しながら1台を構築するのに3ヵ月程度かかっていた。今は、ある程度体系化できたため、専門知識を持たない人材であっても1~2ヵ月研修をうければ、1台を1週間で製造できるようになった。将来的に自動化工程を増やして1台2日で生産できる仕組みを作る」とコメント。

一方で、「熱影響が極めて低く、加工品質や精度が向上する、フェムト秒レーザ技術であっても、ハイエンドなままでは普及しない。多くの既存技術に取って代わる可能製があるだけに、生産の標準化・自動化によるコスト低下は課題だ」ともコメントしている。

同社は中国に杭州本社、上海・西安に研究開発拠点、深圳に生産販売センター、イギリスとドイツに海外研究開発センターを設置している。同社レーザ加工装置は、導入コストが他国のメーカーの5分の1のため、市場が広がった時にブラックボックス化しているコア技術が、大きく華開くことは言うまでもない。

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