溶接ニュース 2021年3月23日付、第3379号

21/03/23

■物質・材料研究機構、溶接性に優れた合金開発
物質・材料研究機構(NIMS、橋本和仁理事長 )は3月10日、溶接しても割れが発生しない制振ダンパー用合金材料の開発に成功したと発表した。合金を十字やH字形に溶接することが可能となるため、より高い荷重に耐えられる制振ダンパーの開発が期待される。東日本大震災から10年を迎え、今後も南海トラフ地震など大規模地震が想定される中、建築構造物の耐震・制震技術の進展が求められている。
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■新横浜市役所にFSW適用
昨年1月に完成した8代目横浜市役所(横浜市中区)には、すっきりとしたラインを形成するなどの理由から多くのアルミパネルが使われているが、その一部には摩擦拡販接合(FSW)が使われている。地下鉄馬車道駅と接続し、屋根付き広場として多様な使い方を求められるアトリウムのアルミパネルの大部分のアルミパネルを担当した菊川工業は、議会棟北側1階にある幅4150ミリの壁部分をパネル2分割、1枚2メートルを超える割付で納めたいというデザイナーからの要望に対し、市場で流通していない材料をFSW技術で対応。「低ひずみかつ高強度の板材接合が可能な摩擦撹拌接合にて、大板を製作した。パネルフレームなどの補強は、設計的計算のみで判断せず、ツナギ目など現物を確認しながら万全を期した」とする。FSWは、摩擦熱と回転力で金属材を接合する技術で、従来の溶接方法と比較して高品質・高強度で接合する。
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■特集・溶接部の非破壊検査
製造設備をはじめとした各種構造物は、様々な形で溶接が行われている。とりわけ我が国が1960年から70年代にかけて高度経済成長を遂げるとともに、この間、集中して各種製造設備が建設される中で溶接部の非破壊検査が実施され、半世紀にわたって品質を担保する手段として設備の安定操業に寄与してきた。現在、検査の売上高に占める石油精製・化学プラント、発電設備等のウェートは半数を占めている。定期的に実施される定期修理工事(定修工事)における定期検査では、超音波探傷、放射線透過試験、磁粉探傷、浸透探傷、渦流探傷等の各種非破壊検査が活用され、高経年化した生産設備の安定操業に貢献している。本編集部では、石化プラントの定期検査を中心とした現況と課題、検査業務に携わる検査会社、機器・機材各社の一端を垣間見た。
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■特集・東北地域における溶接業界の現状と展望
今年で2011年に発生した東日本大震災から10年の節目を迎えた。東北の溶接関連企業はその技能と技術を活かして、東北における工事やものづくりに携わることで復興に貢献している。政府は被災地の復興について、インフラ関連などハード面での整備はおおむね完了し、今年4月からの5年間を「第2期復興・創生期間」と位置づけ、被災者の心のケアやコミュニティーの形成など、ソフト面の対策に重点的に取り組むとしている。そのようななか、本特集では青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の東北6県にスポットを当て、東北地域の溶接事業所、指定機関、教育機関の動向や取り組みを紹介するとともに、東北に拠点を持つディーラーや商社、メーカーなどを取材することで東北地域における溶接業界の現状と展望をまとめた。

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