溶接ニュース 2020年8月4日付、第3349号

20/08/04

■IIW年次大会開く、新会長にD・ランドン氏を選出
IIW(国際溶接学会)は7が得15日から25日まで,総加盟国53カ国のうち41カ国約600人の溶接界の頭脳がエントリーし,2020年年次大会を開催した。初日の総会では,IIW憲章に基づく理事会メンバーの更新により,新会長には15年にAWS(米国溶接協会)会長を務めたデビッド・ランドン氏が,また副会長には粟飯原周二氏(日本溶接協会会長)がそれぞれ選出された。新会長に選出されたランドン氏は「IIWではこれまでさまざまな会議や委員会、理事会などに参加し、多くの会員とともに貴重な時間を過ごしてきた。今後も会長として5年間にまたがってIIW戦略の継続に力を注いでいきたい」と抱負を述べた。今回の年次大会は,新型コロナウィルスの影響を踏まえて,当初予定していたシンガポールでの対面式の総会からオンライン形式への総会,各種プログラムの実施へと変更。最新の溶接研究や規格基準の策定など,活発な意見交換が行われた。
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■石川県工業、公設施設初ブルーレーザを導入、肉盛積層と溶接実験用に
石川県工業試験所(金沢市)に青色半導体レーザ(ブルーレーザ)を搭載した肉盛積層装置が導入された。肉盛だけでなく、溶接実験にも利用できる。公設施設にブルーレーザが導入されたのは初めてとみられ、担当の舟田義則主任研究員は「装置を広く使ってもらうのが我々の使命。いろいろな実験で試してほしい」と呼び掛けている。自動車の電動化に伴って電気伝導率のいい銅の溶接ニーズが高まっているが、銅は熱伝導率も高いために熱影響が出る溶接が難しく、熱影響の少ないレーザでの溶接が模索されている。そこでレーザ熱がより銅に吸収されやすい(熱影響が出にくい)短波長のブルーレーザが有望視されており、現在の溶接のトレンドの一つになっている。
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■技術レポート・はやぶさ2の電子ビーム溶接、東成エレクトロビーム
 太陽系の起源・進化と生命の原材料物質を解明するため、C型小惑星「リュウグウ」で鉱物などのサンプルを採取するプロジェクトを見事に果たし、12月6日に帰還が予定されている「はやぶさ2」。プロジェクトが順調に進捗していることから、採取した鉱物などを入れたカプセルを地球に射出した後は、10年かけて別の惑星の探査に向かう検討も行われている。このはやぶさ2における最大の目的の一つは、小惑星表面にクレータを作り、それによって地中の鉱物を採取することにあるが、クレータを作るための装置には、高度な電子ビーム溶接技術が用いられている。東成エレクトロビームJOB事業部の指田達也次長にインパクタの製作に使われた電子ビームによる銅とステンレスの異種材料溶接について聞いた。
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■特集・溶接技能伝承
高度熟練技能者の退職などが顕著となる中で、熟練溶接士不足が問題化している。このため若手溶接士への技能教育に注力する動きが活発化。溶接事業所においては、若手社員向けの溶接技能研修の充実や高度熟練技能者の定年を引き上げることで若手への指導者として重用する取り組みなど見られる。技能実習生をはじめとする外国人人材を育成する動きも加速。また、溶接における技能伝承の手段としてデジタル技術の活用もみられるようになってきている。本特集では「溶接技能伝承」をテーマに若手の技能伝承に取り組む企業や教育訓練機関の事例を紹介することで「溶接技能伝承」の今を取材した。

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