ファブテック2021開幕

21/09/27

 コロナ禍で停滞していた米国経済が動き出し、溶接関連市場の回復も鮮明になってきているようだ。溶接から工作機械までの生産設備を対象とした国際展示会「ファブテック2021」が9月13日から16日までの4日間、米・シカゴのマコーミックプレイスで2年ぶりに開催し、約1000社が満を持して出展した。
 溶接ゾーンの規模は前回19年開催時に比べると、中国、韓国など海外からの直接出展はほとんど見られず、出展社数、出展面積ともに約20%程度減少したものの、本年5月からペースは緩やかではあるが米国での経済活動が一部再開されたことから溶接市場の動きも活発化してきており、出展社ならびに参観者からの同展への期待も大きかった。
 米国産業界のニーズにシフトした製品ばかりでなく、溶接界を取り巻く話題のキーワードに沿った製品群も多岐にわたって出展されるなど、連日の盛況ぶりが目立っていた
 溶接ゾーンでの出展社の顔ぶれをみてみると、従来大きくブースを展開していたリンカーンやエサブの出展が影を潜め、ゾーンの入口中央にOTCダイヘンが一際大きくブースを構え、それを取り巻くようにファナック、川崎ロボティクス、安川電機、小池アロンソンなどがならび、日本メーカーの現地法人製品の欧米市場での優位性をアピールしていた。
 また、欧米勢ではIPGフォトニクス、ABB、ハイパーサームなどが存在感を示していた。さらに今回は小さなブースで多くの周辺機器および機械工具メーカーがゾーニングでの出展をも大きな特徴であった。
 展示内容では、自動車産業、エネルギー産業向けの自動化機器、大型プラント向けの溶接機が中心で、とりわけ、目新しい技術ではないがスポット溶接ロボット、大型の自動パイプ溶接機など、米国主要産業向けの製品群が多く出展されていた。
 その一方で、数社からではあるがカーボンフリーをテーマにした製品の提案も見られ、工業用ガスや溶接プロセスからのアプローチを行っていた。さらにはレーザを用いた金属アディティブマニュファクチャリングについても航空部品や自動車部品への適用事例がレーザメーカーから紹介されるなど今日的テーマに沿った出展がみられた。
 参観者数も初日から盛況で、米国における慢性的な労働力不足を補うような自動化機器や省力化機器が常に注目を集め、とくに大工場だけでなくても導入できるロボットパッケージの提案や、デザイン的に溶接のイメージアップを図った機器に人気が集中していた。
 出展社からも2年ぶりの開催とあって、新製品発表やビジネス展開を図る上での貴重な機会と捉えており、トレードショーとしての同展への期待には大きなものがあったようで、実際、会場内では参観者との対面式で商談する様子が多く見られた。
 コロナ禍で停滞していた米国溶接市場ではあるが、ここに来て経済活動緩和の動きがでてきていることから、溶接市場も活発化してきており、同展の開催は出展社と参観者双方にとって溶接需要拡大への明るい兆しを示すものとなったようだ。
 我が国においても4年振りの開催となる2022国際ウエルディングショーには同様の期待が高まる。

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