日本溶接協会・全国指定機関委員会、コロナと共存し、事業推進

20/09/11

 日本溶接協会は9月1日、東京・千代田区の溶接会館で第23回全国指定機関委員会(西尾一政委員長)を開催した。
 2019年度の溶接技能者認証(WO)は実技試験11万1902人(前期比2・7%増)、合格者数は8万6121人(同1・9%増)と、10万人台を超える高い水準を維持。2010年度以降で最も高い受験者数を示した。今年度の8月までの速報値は、新型コロナウイルス感染拡大により4月?5月にかけて全国でWO試験を中止したことにより、大幅な減少となった。
 この他、各種検定事業における新型コロナウイルス感染防止ガイドラインや、日溶協が新たに実施する溶接技能者教育事業、WOのシステム高度化などについて討議をした。
 委員会は新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、WEBによるリモート会議システムを併用して行い、全国9地区(北海道、東北、東部、北陸、中部、関西、中国、四国、九州)の指定機関連絡会会長をはじめ20人が参加した。
 冒頭、西尾委員長は「コロナ禍の中で、溶接技能者の検定事業を再開し、各指定機関の皆様には多大な協力とご苦労を頂いている」と謝意を示した。続けて「10月に三重県での開催を予定をしていた全国溶接技術競技会も残念ながら中止となった」と述べ、来年の開催に向けての協力を呼び掛けた。
 WO認証事業報告は、新規受験を示す学科受験者数は2万2211人(前期比0・7%増)、実技試験11万1902人(前期比2・7%増)、合格者数は8万6121人(同1・9%増)。受験件数の合計は13万7598件(同3・4%増)。サーベイランス数の合計は14万8336件(同0・1%増)だった。
 外国人技能評価試験の受験者数は初級1万375人(同21・5%増)、専門級7692人(同27・0%増)だった。19年7月からはじまった上級試験は19年度合計で144人だった。
 2018年度から開始した溶接技能者教育事業の3年間の累計受講者数は、被覆アーク溶接289人、半自動溶接605人、20年度から新たにはじまったステンレス鋼溶接は15人が受講。日本人合格率はいずれの年度も97%以上の高い値を示している。
 日溶協は新型コロナ感染拡大による取り組みとして「新型コロナは無くならないことを前提に、全事業でサステイナブルな体制を構築する」方針を示している。WO認証試験再開にあたり感染防止ガイドラインを策定。試験会場の受付や集合人数の分散化や、フェースシールドを着けての窓口対応など、これまでの実施状況を会場写真を交えて説明した。
 WOシステム高度化とWEB申請の進捗事業は、「当初のスケジュールから遅延しており挽回が必要」との認識を示し、新たな全体スケジュールを作成。2021年11月から一部の地区を対象に先行運用を開始し、22年4月から全国展開を目指す方針とした。
 厚生労働省の公募に日溶協が事業提案し採択された、就職氷河期世代(35ー55歳)に向けた短期資格習得事業は、今年10月の関東地区、福岡県を皮切りに開始する。その後、北海道、熊本県で順次実施する。未就労者や非正規社員を対象に、技能と資格の取得から就職までをつなげる「出口一体型」のプログラムで、23年3月までの3年間で約480人の溶接技能者を育成する。日溶協指定機関会員企業に行った雇用ニーズ調査によると「建築鉄骨、建設、プラントの順で雇用ニーズがある」との結果が明らかとなった。
 協力の方針を決定していた「高校生ものづくりコンテスト」(主催・全国工業高等学校長協会)は、コロナの影響で来年11月に延期予定。溶接競技実施の際は、引き続き、各地区・ブロック大会などへの協力と支援を行う。
 この他、厚労省「ものづくりマイスター」電気溶接職種の基準改定や、第2回日溶協マイスター候補者募集、厚労省が実施した溶接ヒュームに含まれる化学物質に関する政・省令の改正につき、今後、溶接事業所が必要となる対応などを説明した。

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