現代の名工、アーク溶接の渡邊氏ら表彰

19/11/20

卓越した技能を持ち、その道で第一人者と目されている技能者を表彰する「現代の名工」が11月8日、厚生労働省より発表。斯界からは、アーク溶接工の渡邊稔氏(渡辺鉄工所)、溶接ロボット運転工の中屋隆彦氏(クボタ堺製造所)など11人が選ばれた。現代の名工は、1967年の第一回以来、6496人が表彰されており、今回は150人が表彰された。
 11月11日の表彰式でアーク溶接工の渡邊氏は「溶接技能をもっと高めたい。技能習得に終わりはなく、常に努力していく必要がある。17歳から溶接の道にいるが、次々に新しい溶材や、使い道が生まれていく。阪神淡路大震災の時に、建材の溶接部分からの事故も多く発見された。その後、事故を防ぐために開発した溶接方法が普及していった。溶接も日々進化している。自身も進化を続けたい」と述べた。
 溶接ロボット運転工の中屋氏は「受賞を励みにさらに努力する必要があると感じている。海外も含めて、多くの協力企業がある以上、これで安泰というわけにはいかない」とそれぞれコメントし、さらなる技能向上に意欲をみせた。
 なお、渡邊、中屋両氏の受賞概要ならびにその他の溶接・接合関係表彰者は次の通り(敬称略)。
 ▽渡邊稔(アーク溶接工、渡辺鉄工所)溶接部の強度および靱性が左右される溶接入熱とパス間温度の管理技能に優れている。渡邊さんの技能は業界でも高く評価され、温度管理の第一人者として多くの講習会の講師を依頼されている。また、ステンレス鋼の極薄板溶接の実現やチタニウム材溶接治具の考案を行い、業界の発展にも多大な貢献を果たしている。さらに、公共職業訓練施設の講師や溶接技術検定委員会の評価員を務めるなど、後進の育成にも尽力している。
 ▽中屋隆彦(溶接ロボット運転工、クボタ堺製造所)長年溶接に携わり、作業の自動化、品質向上およびリードタイムの短縮などを数多く達成している。特に、溶接ロボットの始端検出機能を応用した形状確認機能の開発では、ひずみや溶接公差を抑え、溶接トーチのズレを抑えるためのジグを考案するなど生産工程の改善に取り組み、品質の安定と生産性向上に貢献した。また、若手技能者への指導にも積極的で社内コンクールでは溶接技能の継承に必要な競技課題の作成に取り組むなど、人材育成にも大きな功績を残している。
 ▽その他の溶接・接合関係表彰者=渡邉康憲(自動車板金工、マツダ防府工場)渡辺智二(車両ぎ装工、日立製作所笠戸事業所)豊永和史(機関部ぎ装工、大丸工業横須賀事業所)寺澤啓毅(機械修理工、造幣局広島支局)阿部裕幸(医療用電子機器組立・調整工、アイシン精機)池内俊雄(電気通信機械器具検査工、日本信号久喜事業所)清川敏男(化学めっき工、清川メッキ工業)田中尚(数値制御金属工作機械工、日立製作所日立事業所)?橋良八(広告美術工、ライト工芸)

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