溶接学会、東北大で秋季全国大会

19/09/30

溶接学会(篠崎賢二会長)は9月17日―19日の3日間、仙台市青葉区の東北大学工学部材料科学総合学科で2019年度秋季全国大会を開催した。篠?会長は講演件数198件のうち35歳以下の発表が145件(73%)を占めたことにふれ「昨年の65%に比べ割合は高く、活性化につながっている」と語り、若手による積極的な発表を温かく見守った。
 東北大学大学院工学研究科が共催、仙台観光国際協会が協賛し、仙台では27年ぶりの開催となった今大会には536人が参加した。
「従来のプロセス別から、今回は試験的に業界別のセッションを企画」(篠崎会長)し、最も規模の大きい自動車は、抵抗スポット溶接、レーザ溶接・接合、アーク溶接、疲労強度、各種接合法、摩擦圧接・超音波接合、FSW・FSSWの7セッション。日本溶接協会船舶・海洋構造物部会との共催による造船(溶接・熱加工、溶接継手の力学評価)と橋梁(疲労強度、残留応力・変形・継手強度)は各2セッション、電子・マイクロ、車両、建築鉄骨は各1セッションと、業界セッションは全14セッションに上った。学会東北支部(木村光彦支部長)が主催、日本溶接協会が共催の技術セッションは「建築鉄骨に関わる溶接技術の最前線」と題して行われ、溶接ロボット、高電流溶接法、溶接材料のトレンドに加え、溶接ロボット・オペレータの認証、出入国管理法改正に伴う日本人の専門教育と外国人の活用に関する講演が関心を集めた。
 フォーラム「溶接部の腐食」は学会溶接冶金研究委員会と腐食防食協会の共催で行われた。
特別講演「東日本大震災の経験・教訓と今後の防災の考え方」の講師を務めた東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長は、大震災の経験を経ていくつかの教訓を踏まえ、南海トラフを想定した巨大地震の発生確率などにふれながら「津波のイメージなどを共有するとともに防災に関心をもっていただきたい」と話した。
  初日夕刻の懇親会の冒頭、木村支部長(秋田県産業技術センター)は、「令和初の全国大会を東北で開催できることを非常にうれしく思う」と挨拶。篠?会長(呉工業高等専門学校)は「東北は8年半経った今も復興のさなかにあり、全国的にも自然災害が相次いでいる。今後の発展を考えるときものづくりは重要であり、ものづくりを支える溶接技術も歩調を合わせていく」と語った。
この後、東北大学の長坂徹也工学研究科長・工学部長の挨拶に続き、中村満岩手大学名誉教授(日本溶接協会東北地区溶接技術検定委員会委員長)の音頭で乾杯した。
 今大会の東北支部実行委員長を務めた佐藤裕氏(東北大学)は、一時は学内でプレハブでの生活を余儀なくされたものの、今大会は東北大学工学部の創設100年の節目と重なるとともに、リニューアルされた施設で全国から参加者を迎えたことについて「多数の参加を得て満足いただけたと思う」と話した。

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