ダイヘン、レーザ・アークで異材接合を実現

19/06/10

自動車産業界では車体や部品の軽量化が大きな課題となり、アルミをはじめとする軽量化材料の適用と、必要な材料を必要な場所に配置するマルチマテリアル化による設計を実現するための異種材料接合に対するニーズが高まっている。ダイヘンは5月28日、レーザ・アークハイブリッド溶接によるアルミ合金と亜鉛めっき鋼板の異材接合技術を開発したと発表。新たに開発したアルミ用波形制御法と古河電気工業のビーム制御技術を組み合わせることで、アルミ部で母材破断する継手強度を実現した。溶融接合が困難とされてきた両材料を既存のプロセスで接合できるため、高い信頼性とコスト低減に寄与する。 
 今回、異材溶接に成功したのは6000系アルミ(板厚2ミリ)と亜鉛めっき鋼板(板厚1.6ミリ)の重ねすみ肉溶接で、溶接ワイヤは5000系アルミ(外径1.2ミリ)を使用した。アルミ合金と亜鉛めっき鋼板の異材接合は、融点など材料特性の違いから溶融溶接が難しいとされる。このため現状ではリベットなどの機械的接合が用いられるほか、固相接合の開発も進められている。しかし、接合部材が高価だったり、大掛かりな設備や複雑な接合工程が必要、などの課題があった。
 同社は、極低スパッタ技術「シンクロフィード溶接システム」に改良を加え、アルミニウム合金用電源波形制御法を新たに開発。アーク溶接でも低入熱で溶融金属を供給できるようにした。加えて古河電気工業と共同開発したビームモード制御技術を採用することで、溶接欠陥の原因となる金属間化合物を抑制し、継手強度を高めることに成功した。
 アーク溶接をベースとした異材接合技術のため、現状の溶接ラインへのスムーズな導入が可能となる。また、構造部材の形状や生産工程を大きく変更せずアルミに置き換えられるため、設計の自由度が高まることも期待される。同技術は、実用化に向けた製品開発や生産現場でのフィールドテストなどを実施した上で、今年度中の製品化を目指している。


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