プラント保安分野でドローン活用

19/04/11

英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルや米シェブロン、仏トタル、英BPなど石油大手では、製油所の点検やパイプラインの監視業務にドローンの活用が進む。日本でもドローンの本格活用に向けた環境整備が急務であり、人手不足が続く産業界において救世主として期待が高まる。経済産業省は3月29日、消防庁、厚生労働省と連携し、溶接の代表的な適用分野であるプラント保安分野におけるドローンの安全な活用の促進に向け、プラント内でドローンを安全に運用するための「ガイドライン」と、国内外企業の先行事例を盛り込んだ「活用事例集」をとりまとめたと発表した。
 今回、策定したガイドラインでは、ドローンによる高所点検において足場を組む必要がなく目視が難しい塔類や屋外の大型貯層タンクなどの日常点検で威力を発揮する点やドローンがプラントで撮影した画像がクラウド上に自動的にアップロードされ、配管腐食をAIで自動判定することで事故の予兆を把握し、重大事故を防止するといった産業保安の向上に向けた具体的な事例がまとめられている。
 このほか、プラント事業者が工場などでドローンを安全に活用するために必要な留意事項が整理され、コンビナートなどの石油精製、化学工業などプラント内においてカメラなどを装備したドローンの飛行を行い、カメラによる撮影等を行う行為といった適用範囲についても触れている。
 ガイドラインでは、ドローン活用時の状態を通常運転時のほか設備開放時と災害時の3つの状態に分類。それぞれの状態に応じた運用方法について飛行エリアに応じたリスクアセスメント実施の必要性が明記されており、エリア別に想定すべきリスクも例示されている。
 仮に災害時に活用する場合は、事前に災害時の飛行計画を立案し、活用の手順などを精査するとともにその飛行計画自体が災害時の諸活動の妨げにならないよう十分な安全を確保しうる内容であることが重要であるとしている。そして活用時は、地震などの災害による設備の損傷により危険物の漏洩やガス漏れなどの副次的リスクへの備えも十分に注意することが重要であると記載している。
 ガイドライン策定にあたっては、今年2月にJXTGエネルギー根岸製油所において実施された実証実験で得られた知見なども反映されている。

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