18暦年鉄骨需要、高水準維持518万トン

19/02/13

首都圏を中心とした再開発や、全国的な大型物流倉庫の建設など、建築鉄骨の需要が高水準を維持する。産報出版がまとめた2018年(暦年ベース)の鉄骨推定需要量は、前年比0・5%減の517万8600tとなった。前年からは微減となったものの、ここ10年では3番目に高い。「ファブリケーターの適正加工能力は520―530万t前後」(大手ファブリケーター)との声があるなか、堅調な景況を示す結果となった。
 建築鉄骨業界の2018年は、ここ数年の傾向となっていた建築図面の遅れによる着工の遅れや全国的な人手不足。高年後半にさらに深刻化した高力ボルト不足など、工程の進捗に影響を及ぼすマイナス要因が頻発した。
 そのようななかでも、鉄骨ファブリケーターは旺盛な需要に対応するため、溶接ロボット導入による自動化や省力化機器の導入により、生産能力を維持している。
 過去10年の鉄骨需要の数値を見ると。13年は消費税率上昇前の駆け込み需要があったことから533万t台と前年の459万t台から急増。それ以降も3年間に渡り500万t台と安定した需要を示した。17年はさらに首都圏再開発や、インバウンド需要に対応する大型ホテルの建設。道路インフラの整備による、周辺地域での大型倉庫の建設などの要因が重なり、520万t台の高水準となった。「保有設備や人員からみて、現在の鉄骨ファブリケーターの加工能力は520―530万t台が適正」と安定した状態を見せていた。
 また最近の物件の傾向として、複雑なデザインや、耐震構造の高度化により、単純なトン数よりも工程が多くなる傾向がある。「実際の数値よりも仕事量は多くなる。加工費もその分上乗せとなる」(同)と、各ファブリケーターの工場は十分な加工量を抱えていると見られる。
 一方慢性的な溶接士をはじめとした、建築業界の人手不足や資材の高騰など懸念も多い。高力ボルト不足の一因は、溶接士の不足による工法の変更にあるとの指摘もある。
 これらの課題は残るものの、2020年東京五輪以降に着工計画する、大型物件の計画も相次いで発表されている。国内で溶接材料が最も多く消費される産業分野である鉄骨需要は、今年以降も堅調に推移する見通しだ。
 

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