内閣府が日本経済概要レポート/空洞化を懸念

12/12/27

 内閣府は、「日本経済2012ー2013の概要」と題した調査レポートをまとめた。日本経済は12年後半以降、海外景気の減速などもあって急速に景気が悪化し、日本企業も厳しい調整の中で活路を求める段階にあると指摘。円高を背景とした海外生産移転などが影響し、輸出競争力も急激に弱まっているとしている。
 先行き不透明感の増大で設備投資は弱含みで推移。東北は東日本大震災から復旧復興し持ち直しつつあり、雇用情勢も足踏み感があるが改善傾向を示す。半面、震災被災地では雇用のミスマッチで構造失業率が高まり、エコカー補助金も普通車などには大きな効果がみられなかった。さらに、企業倒産に一定の抑制効果があった金融円滑化法が3月末で終了するため、企業倒産増加の懸念も広がっている。
 一方、消費者物価は小幅な下落にとどまりデフレ改善には至っていない。背景には需給ギャップが解消されず、非製造業や電気機械ではデフレによる利潤喪失が大きいとしている。製造業の海外生産移転はなお断続的に続き、国内製造業就業者数も引き続き減少。ただ、就業者数減は労働生産性の低下には至っていない。海外移転が進んでも輸送機械や電気機械は国内生産増加の動きがみられる。しかし、輸送機械の最近の海外投資比率は45%まで高まるなど、ここにきて国内空洞化懸念が高まっている。
 海外拠点も国内代替から現地需要の開拓に軸足が移りつつあり、現地需要獲得型は概して売上・利益の伸びが大きい。製造業だけでなく非製造業も海外進出が活発化している。こうした中、先進国では国内経済に占める製造業のシェア低下がみられ、世界経済における日本の地位も相対的に低下。企業は高収益を見込めるアジア新興国に対する直接投資を拡大。11年の日本の対外直接投資残高は約75兆円で10年前と比べ倍増した。投資拡大に伴い、現地の技術水準も向上している。
 リーマン・ショック後の円高局面では円高ウォン安の影響が広がり、輸送機械や電気機械では特にダメージが大きい。

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