ヘリウム需給、タイト感強まる/今夏から輸入減少

12/12/07

 ヘリウム需給のタイト感が強まっている。日本はヘリウム供給を100%輸入に頼っているが、今年6月から前年同月比大幅な減少となり、9月の輸入量は4ヵ月前と比べ36%減少した。直近1年(11年10月ー12年9月)合計では約2145トンで前年比7%減。前々年比では12%減少している。今後輸入量が急速に回復する見込みは乏しく、当面はタイトなまま推移するとみられる。
 ヘリウムは天然ガス田からの副産物として採取され、日本は約95%を米国からの輸入に依存している。ここ数年の輸入総量は年2300トン前後で、ガスは光ファイバーの製造工程や分析に利用。液体ヘリウムは80%が医療用のMRI(磁気共鳴画像装置)に使われる。溶接用にはガスのうち10%弱が使用されている。
 米国からの輸入の大半は、BLM(米土地管理局)と世界最大の石油メジャー・エクソンのガス田から採取されている。しかし、今夏からBLM・エクソンともプラントの定期修理に入り輸入量が減少。当初予定では9月末に完了し10月から輸入も正常化する予定だったが、BLMのプラントトラブルが発生したため、輸入量が落ち込んだままとなっている。今後トラブルが解消されたとしても、本稼働までには相応の時間を要すると見込まれており、今年度内の輸入回復は不透明な状況。価格も輸入通関ベースで20%弱上昇し、高騰に拍車がかかりつつある。
 一方、中国など新興国で需要が広がり需給ギャップが拡大しているとの見方もある。主として光ファイバーやMRI向けのニーズが拡大しているが、供給サイドでは目立った増産対策が行われず、タイト感は年々強まっているのが現状。ヘリウムは米国のほかカタール、アルジェリア、英国、ロシアなど6ヵ国しか採取できないレアガス。これまでもプラントトラブルなどで需給がタイト化することはあったが、今回は過去例のないひっ迫感だという。輸入元の産業ガスメーカーは、主力ユーザーに均等配分するなどして供給をつないでいるが、価格上昇もあり今春以降値上げに動いている。

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