新日鉄の橋梁用高降伏点鋼板、JIS化後初採用

12/09/26

 新日本製鉄は、橋梁用高降伏点鋼板「SBHS400W」がJIS規格材として制定以降、今年12月から供用開始予定の新宮川橋(発注=三重県多気郡大台町、橋梁重量約180トン)が50キロ鋼・耐候性仕様として初の適用物件になると発表した。
 現在架設中の新宮川橋は、宮川の渓谷を跨ぐ全長76メートルの上路トラス橋。最近では橋梁の維持管理費低減や初期コスト抑制の観点から、鋼橋の約30%に耐候性鋼が採用されている。
 本橋は太平洋岸熊野灘から約15キロ内陸に位置し、離岸距離が十分確保できることから無塗装耐候性鋼の適用が可能であるため、耐候性仕様が選定された。また、支点付近は橋梁に作用する荷重を下部工に伝達する重要な部位であり、補強部材などが取り付く狭あいなスペースでの溶接作業となるため、品質確保と現場作業性の向上を目的に降伏強度が高く、溶接性が良好なSBHS400Wが初めて採用された。
 SBHSは、従来橋梁用として一般的に使用されている溶接構造用圧延鋼材と比べて高強度・高靭性で、溶接性・冷間加工性にも優れた橋梁用の高性能鋼材。構造設計上の基準強度である降伏強度が従来鋼より10ー20%高く、軽量化など経済的な設計が可能となる。また、降伏強度の向上を溶接性や加工性を阻害する合金類の添加ではなく、制御冷却プロセスを駆使した鋼材組織の造り込み技術で実現するめ、溶接時の予熱作業の省略や低減が可能など溶接性、冷間加工性にも優れている。
 SBHSの前身で日本鉄鋼連盟製品規定にあるBHSは、東京都港湾局発注の臨海中央橋や2012年2月に供用開始された国土交通省関東地方整備局発注の「東京ゲートブリッジ」に約1万7000トン採用された。これら製造実績を踏まえ鋼材のJIS規格化が検討され、08年JISG3140橋梁用高降伏点鋼板として4規格(SBHS500、SBHS500W、SBHS700、SBHS700W(Wは耐候性仕様)が制定された。

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