19/11/26
開発された製造装置は、科学技術振興機構(JST)の産学共同実用化開発事業(NexTEP)の開発課題「THVPE法による高品質バルクGaN成長用装置」において、東京農工大学の纐纈明伯特別招聘教授らの研究成果をもとに、平成25年8月から平成31年3月にかけて大陽日酸に委託され、同社開発本部イノベーション事業本部が実用化を進めていたもの。高品質・高速な結晶製造を実現するだけでなく、反応炉の石英管の劣化が生じにくいことや、成長面積の減少が少ないこと、不要なポリ結晶成長が生じないなど、従来の方法に比較してコスト面に優れる特長も確認されている。
GaN結晶は、省エネルギーおよび低炭素社会構築のキーマテリアルとして注目されているが、そのアプリケーションである高周波デバイス、パワーデバイスへの展開はあまり進んでいない。その理由の1つが、GaN結晶基板の製造が難しく、高純度な厚いバルク結晶を得る結晶成長法がなかったことで、今回の新技術により、GaN結晶を厚いバルクで得られれば、スライスしてGaN基板を大量生産でき、安価で高性能なGaNデバイスの開発への突破口になることが期待されている。
日本チタン協会
A5判
240頁
ISBN 978-4-88318-057-8
価格:5,390円(本体価格:4,900円)
三田常夫
A5判
164頁
ISBN 978-4-88318-235-0
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
荒川敬弘 ・ 笠井尚哉
A5判
230頁
978-4-88318-234-3
価格:2,200円(本体価格:2,000円)