東京スカイツリーが先週22日ついに開業した。タワーはここ秋葉原の産報佐久間ビルからも眺望することができて、いよいよ開業となるとそれなりに感慨深い▼タワーには工事中に現場を取材したことがある。高さ328メートル時点だからちょうど中間点だったが、その巨大な構造物に感嘆したものだった。タワーは3本の鼎立した柱を鋼管トラス構造で組み上げた形になっていて、さらに1本の鼎柱は4本の柱で構成されていて、柱ごとトラスで結んでいるから外見上は太いパイプで網の目を組み上げていったように見える▼パイプは下部の最も太径の部分は直径2300ミリ、板厚100ミリにもなるが、現場ではこれを炭酸ガス半自動溶接で施工していて、1本仕上げるのに4人がかりで3・5日もかかるのだといっていた▼タワーは何事も世界一で、使用した鋼材量が4万トン、溶接材料も1千トンという桁外れ。投入されている溶接員は80人という。この溶接員は技量の付加試験を行って選抜しているということだったが、高くなるにつれてもう一つ条件が加わるということで、それが高所作業に適しているかどうかなのだと聞いて面白かった▼世界一のタワーには世界トップの溶接技術が駆使された。このタワー建設が日本のものづくりに発憤を促してくれるよう願ってやまない。
B5判
946頁
ISBN:978-4-88318-762-1
価格:41,250円(本体価格:37,500円)
A4判 86ページ
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)