天地人 (ライブラリ)

「はやぶさ」の成功

 小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルに入っていた微粒子は小惑星「イトカワ」由来のものと断定された。太陽系の成り立ちを解明する手がかりともなる貴重な科学的成果で、地球から3億キロも離れた小惑星との間を7年6ヶ月もの歳月をかけて探査機が往復した工学的成功と合わせ日本のはやぶさ計画はほぼ完遂されたことと評価される▼はやぶさが打ち上げられたのが03年5月。イトカワ着陸が05年11月。イトカワは地球と火星の中間にあり、太陽の回りを公転している小さな星で、535×294×209メートルという小惑星だ。その後はやぶさは077年4月に出発、今年6月13日ついに帰還した。この時探査機本体は大気圏突入時に燃え尽きたが、分離されたカプセルがオーストラリアの砂漠に投下回収された▼この間はやぶさはたびたびトラブルを起こしていて帰還は奇跡ともいわれるが、やはりこれは日本の科学技術の成果だろう。また、イトカワは太陽系誕生時の状態が化石化されているとされ、回収された微粒子はその成り立ちを探る貴重な試料となる。月以外の星に着陸して人類が物質を持ち帰ったのはこれが初めてのことだし、大変夢のある偉業となった。「2番目ではいけないのですか」などと言わずに日本のリードによって新しい夢に向けた挑戦を続けて欲しいものだ。

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