天地人 (ライブラリ)

外交の失政

 日本の外交下手は今に始まったことではないが、この頃の民主党政権はひどすぎる。対中、露、米いずれにも侮られ軽んじられている。それは日本政府が深遠なる戦略も明確なる意志も持たないからにほかならず、つけ込まれて右往左往している姿を見るにつけ情けなさが募る▼このたびのAPECはホスト国として首脳外交の絶好のチャンスだったが、逆に日本の存在感の薄さを露呈することとなってしまった。中国の胡錦涛主席との会談では懇願してわずかの時間をさいてもらったという始末。中国は日本バッシングを繰り返し対日優越感を見せつけることで国内の不満分子のはけ口としていることに手伝った結果となった▼ロシアのメドベージェフ大統領は直前に北方領土を訪問するという、日本の神経を逆なでするようなことをして横浜に乗り込んできたが、その抗議は小さなものにすぎなかった。アメリカのオバマ大統領とは日米同盟の絆の強さを確認したつもりだろうが、普天間基地問題を解決できない民主党政権にどれほどの期待をしたものか▼日本では外交の失政で政権が倒れるということは少ないが、それはこれまでの日本人がのんきだったからにほかならず、そろそろ日本でも外交、領土、防衛という国家の根幹に関わることで内閣は行き詰まるということになりかねない。

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