今年読んだ本の中からサイエンスもので面白かったもの3冊▼最相葉月『ビヨンド・エジソン』12人の日本人科学者を追ったノンフィクション。いずれも世界の最先端で活躍する現役だが、あらかじめ論文や執筆物を読んだ上で一人ずつに直接話を聞いていて、研究テーマ選択の動機付けなどエピソードが豊富だし、難しいサイエンスもドラマ性もあって面白かった。とくに影響を受けた伝記や評伝を上げさせていたのは秀逸だった(ポプラ社)▼倉谷うらら『フジツボ』フジツボを専門とする研究者が、フジツボに取り憑かれたままに生物としてのフジツボのことのみならず文学や食文化のことなどフジツボワールドについて詳述している。著者のフジツボに対するほとばしる愛情がほほえましいし、文章がやさしくカラー図版も多く、サイエンス書だがまるで図鑑を読んでいるような楽しさ(岩波書店)▼田中敬一『ぶらりミクロの散歩』著者は顕微解剖学専攻の学者で、電子顕微鏡でのぞいたミクロの世界が面白おかしく楽しくつづられている。それもすべてに顕微鏡写真が添えられているから千倍万倍で見るとこういう具合かということがわかって興趣が尽きない。とにかく科学研究には強い好奇心と豊かな発想と実験を成功に導く創意工夫が大事とわかるユーモアたっぷりの科学エッセイ。
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)
A4
138
ISBN978-4-88318-063-9
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
溶接学会 溶接法研究委員会
B5判
258頁
ISBN:978-4-88318-060-8
価格:13,200円(本体価格:12,000円)