天地人 (ライブラリ)

建築としての美術館

 2010年ブリツカー賞に妹島和世、西沢立衛両氏が決まったとのニュースがアメリカから届いた。現在の建築シーンの中で同賞がどのような位置づけにあるのか知らないのだけれども、報道によると同賞は「建築のノーベル賞」といわれ、ハイアット財団が主催しすぐれた建築家に毎年贈られるもののようで、日本人としては安藤忠雄氏以来の快挙だという▼両氏は共同設計を数多く手掛けているが、授賞の対象として評価されたもののなかに金沢21世紀美術館の共作がある。この美術館は大好きで、これまでに4度も足を運んでいるほどだが、古都の中心部にありながら白い円形の建物は開放的で街並みによく溶け込んでいるのが素晴らしかった。なお、妹島和世さんは阪大溶接・日立OBの故妹島五彦氏の長女である▼美術が好きで随分とたくさんの全国の美術館を見ている。建物としての美術館にも触れる機会が多いのだが、印象深いものも少なくない。つい先日訪れた青森県立美術館も青木淳の設計は、三内丸山遺跡隣接地という条件を活かしたおもしろいものだった。やはり今年訪れた隈研吾設計の那珂川町馬頭広重美術館も、長屋のような和風の建屋が魅力的だった。1年前に訪れた西沢立衛設計になる十和田市現代美術館は、道からそのまま入りたくなるようで印象的だった。

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