天地人 (ライブラリ)

出版不況

 出版市場は着実に縮んでいて09年の書籍・雑誌の販売金額はついに2兆円を割った。21年ぶりの低水準で、とくに全体の6割を占める雑誌は12年連続の減少となって歯止めがかからない。ただ、減少幅では昨年は書籍が雑誌を上回っていて、出版不況の深刻さが増している▼出版不況は関連分野にも飛び火していて、書店数もこの10年で全国で約3割も減少となっており、和歌山県などのように約半分も減ったようなところもあって、街から本屋が消えてしまったような状況だ。公設図書館もわずかだが減っているし、そもそも全国の町村で図書館が設置されているところは約5割にしかならないから、それこそ図書館はおろか書店すらないという「出版過疎」のようなところも現出している▼出版不況の要因はインターネットの出現によるというのが大方の見方。実際その通りであろう。ただ、情報にしろどういう手段で入手するのかという時代。新聞もテレビも見ないという若者も少なくないという今日。彼らは携帯電話やパソコンをインターネットにつないで情報を得ている。本も携帯端末などで読む時代。言わば媒体が変化しているのだが、どういう形態で本を読むかは変わっても読書の習慣が続いているということは、手段は変わっても中味は大きくは変わらないのではないか。

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