天地人 (ライブラリ)

国民読書年

 今年は「国民読書年」である。その推進運動の標語が「じゃあ、読もう。」というのだが、この軽薄な標語に負けない大きな効果を期待したい▼しかし、現実にはここのところの活字離れは激しく、出版点数の減少や雑誌の休廃刊が相次ぎ、倒産する出版社も少なくない。図書館にしても財政難から図書購入費が削減されているのが現状で、読書年の制定は衆参両院で満場一致による国会決議によるものだが、かといって格別の財政的支援というのも見えてきていない▼本は好きで、図書館にも週に1度くらいは通っているからよく利用している方だろう。近所の図書館は、これは休日のことしか知らないが、いつでもまずまず混んでいる。中高年の利用者がもっとも多く、新聞や雑誌を閲覧している人が大半で、図書を借り出す人も少なくないようだ▼借り出す本はエンターテイメント系の新刊本とベストセラーが大部分で、購入図書へのリクエストも同様だ。だからだろうが、新たに購入される本はこの種のものばかりで、人気作家のものなど同じ本が5冊も10冊も購入される場合がある▼まるで貸本屋の如きもので、図書館は利用者数と貸出冊数を競うからこんなことになってしまう。これは図書館の機能のごく一部だろうが、ますますその傾向は強まっていてついつい憮然としてしまう。

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