天地人 (ライブラリ)

数字が悪い

 いかにも数字が悪い。溶接関係の統計のことで、もとより不況によるものだが、想像をはるかに上回る厳しさだ▼溶接材料は1‐5月の生産高が10万5239トン低迷、前年同期比28.8%の大幅減少となった。とくに軟鋼用被覆アーク溶接棒が48.8%減とほぼ半減に近く、建築や自動車向けが多いソリッドワイヤも38.8%減となり、造船向けが多いフラックス入りワイヤは16.6%減にとどまっている▼これは今年初めから急速に悪化した需要の減退によるところが大きく、いち早く徹底して対応した在庫調整によるところも少なくない。このままで推移すれば、年間換算で25万トン度となってしまい、6年ぶりの30万トン割ればかりか、60年代半ば以来43年ぶりの超低水準ということになる▼他の統計数字もおしなべて同様で、電気溶接機の生産は1‐4月が57.7%減の2万0633台、粗鋼生産もやはり1‐4月で43.1%減の2332万トンとなっている。需要業界も同様の推移で、例えば鉄骨は4‐5月の推定需要量が44.7%減の58万トン台で、すでに7カ月連続して前年同月を下回っている▼底を打ったとは政府の見解だが、まだまだ実体経済とはほど遠く、いずれにしても、来るべき日に備えて技術開発だけは不断に続ける強い経営マインドが溶接業界には肝要だろう。

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