天地人 (ライブラリ)

元気な日本映画

 日本映画が元気らしい。興行収入で邦画が過半数を占め、アメリカ映画を中心とする洋画を逆転、初めて上回ったという。これはわが国映画史でも画期的出来事だと新聞が伝えていた▼映画が好きで、それこそ学生時代など年間250本も観ていたような時期もあったが、その頃は大半が洋画だった。それもハリウッド映画よりは、フランスはじめヨーロッパの映画を好んで観ていた。とりわけレネ、アントニオーニ、ベルイマンなどは注目して欠かさず観ていた▼この頃も月1回程度は映画館に足を運んでいて、洋画、邦画問わず観ているのだが、結果的には日本映画にいいものが多いようだ。ただ、全般に映画に関する情報に疎いものだから、当たり外れが多くて、とくに洋画にその傾向が強い。そういうこともあって邦画を選ぶ場合が少なくないようだ▼この半年ということでは、アカデミー賞を受賞して話題になった『おくりびと』が良かった。納棺師の所作がおもしろかったし、日本の葬儀の美しさが描かれていた。『壬生義士伝』もそうだったが滝田洋二郎の演出は、暗い主題も時にユーモアも交えて、観客の胸の奥を揺り動かしていた。監督で好んで観ているのは『かもめ食堂』や『めがね』の荻上直子。小林聡美やもたいまさこといった常連の出演者も味わい深い。

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