中村孝さんが亡くなられた。すでに2月19日に逝去されていたようだが、訃報が届いたのは3月に入ってからだった。故人の遺志だったようで、自分のことで迷惑をかけたくないといういかにも中村さんらしいことだった▼連絡をいただいた次女の広田淑子さんは「いくつになっても知識欲を失わず、人に優しく、多くの人に好かれた愛すべき人生でした」といい、「91年楽しかった」という言葉を残していたとのことだった▼まったくその通りので、中村さんには大変お世話になった。面倒見のいい人で小社のまるで顧問のような存在だった。人情味にあふれていたが、曲がったことが嫌いで、筋が通らないと厳しく指摘されたし、エンジニアらしい合理主義者だった▼中村さんは電元社製作所の専務などを歴任され、専門の抵抗溶接で多大な業績を残されたが、日本溶接協会の活動にも献身的に尽力され、日本溶接協会を支える力強い存在だったが、中村さんの衣鉢を継ぐような存在はこの頃少なくなってきていることを痛感する▼中村さんからはこれまで折に触れてたくさんの手紙をいただいていて、昨年暮れにいただいた「今年の賀詞交歓会は欠席する」とのはがきが最後になった。やはり昨年の賀詞交歓会で「これが最後かな」とおっしゃっていた、その通りになってしまった。
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)
A4
138
ISBN978-4-88318-063-9
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
溶接学会 溶接法研究委員会
B5判
258頁
ISBN:978-4-88318-060-8
価格:13,200円(本体価格:12,000円)