天地人 (ライブラリ)

ピンチはチャンス

 金融危機の嵐が世界を席巻している。当初は対岸の火事のような楽観的な様子もあった日本経済も、当然のことながら世界同時不況に巻き込まれていて深刻さは増している。しかしこのピンチをチャンスに変えることはできないか▼一つは人材の育成だ。幸いものづくりに対する社会的理解が進んできていて溶接技能者の育成に対する取り組みも活発だ。山九などは海外工場も含め世界7カ国からの参加を得てグローバル溶接競技大会を開催、企業内コンクールとしても大きな話題を呼んだ▼高校生によるコンクールが盛んになってきたことも大変心強いこと。県大会レベルではすでに10県程度に達しているし、九州では地区大会も行われ大成功しており、今年は中国地区などでも計画されていて、いずれは「溶接甲子園」とでも言った全国大会の開催も待たれるところで、溶接技能者の確保に向けて良好な環境となってきた▼チャンスの今一つは技術開発への注力だ。ニーズに追われた開発というよりも、この際、技術開発テーマを洗い直し、ニーズを先取りしシーズを生み出す取り組みが可能な状況とすることも有効かも知れない▼それで難しいのは、高級な研究者、技術者の確保だが、これには「溶接」に対するインセンティブを与える産学官を横断する国家的取り組みが不可欠だ。

バックナンバーへ

お勧めの書籍