秋葉原日記 (ライブラリ)

いせ源のあんこう鍋

 昨夜は神田のいせ源で会食があった。
 いせ源は、藪そばやとりすきのぼたんなどと神田須田町の歴史的建造物群が建ち並ぶ界隈にある名店の一つで、あんこう鍋の専門店として知られる。
 いせ源の建物も関東大震災後建て直したものがものがそのまま生き残っていてなかなか外観からして風情がある。
 店にあがると2階の座敷に通された。
 この日いただいたのはコース料理だったが、初めに煮こごりが出てきたが、これはもちろん卵巣を料理したものなのだが、表面に青ネギが敷き詰められていてなかなか珍しい作り方だった。
 次があん肝。あんこうの最も貴重な部分でかつおいしいところ。ねっとりした独特の食感は同じ肝でもいかにもあんこうのものらしい。
 そしてあんこう鍋。これには肝や身の部分、ゼリー状の部分などがシイタケや銀杏、ウドなどふんだんな野菜類と一緒に盛られていた。つゆは醤油味だった。
 また、この間、身の部位を利用した唐揚げなども並べられていた。
 結局、俗にあんこうの「七つ道具」といわれる肝、とも(ひれ)、ぬの(卵巣)、だい身(身の部分)、胃(水袋)、えら、皮がすべて揃っていたようだった。
 あんこう鍋は冬の季節料理としては、西のふぐに対し東の横綱ともいえるものであろうが、ふぐほどにはポピュラーではなくて、専門店も東京でもここだけ。
 また、鍋もつゆはまるでそばつゆを思わせるほどに濃い色をしていて、関東のものならばいざ知らず、西の人たちには違和感があるかも知れないとも思われた。もっとも、味は見た目ほどにはさほどしょっぱくはないのだけれども。

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(いせ源の外観)

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