この頃、立ち飲みがはやっているという。気軽さと値頃感が受けたのだろう。
かつて立ち飲みといえば酒屋の店先が一般的で、ビールケースを積み重ねてテーブル代わりにしている様子などが見られたものだ。これなどは酒屋としては本筋ではなく、量り売りのちょっとしたサービス程度のものだったのだろうと思われる。
これに対し最近の立ち飲み屋は、ちゃんとした店構えであって、立って飲むこと以外は普通の居酒屋と変わりはない。
東京では新橋や神田などとサラリーマンの集まるところに立ち飲み屋が多く出現している。
その波が秋葉原にも押し寄せてきているが、秋葉原には一風変わった立ち飲み専門の居酒屋がある。
秋葉原駅を昭和通り口に出てそのまま昭和通りを渡り、三菱UFJ銀行のすぐ右隣、昭和通りに面したビルの2階にくだんの店はある。
その名は、百飲。ちょっと変わった名前だが、中身はもっと変わっていて、酒からつまみまですべてが一品100円均一。つまり、百均の居酒屋版だと思えばよい。
店は中年女性の店員数人で切り盛りしている。店内は明るく清潔。
酒類はビールからウイスキー、日本酒、焼酎などと一通り揃っている。ただ、生ビールの中ジョッキだけは200円である。
つまみ類は小皿や小鉢がカウンターにずらり並んでおり、好きなものをピックアップする仕組み。厚揚げ、肉ジャガ、アジフライ、サンマ塩焼き、お新香、コハダの刺身、餃子、鶏の唐揚げなどと30種ほどか。
とにかく気軽だし、セルフサービスで支払いはその都度だが、何しろ100円均一のこと、会計が心配になるということもない。
客の顔ぶれを見ると、もちろん勤め帰りの中年男性が多いが、若い女性の姿も見える。一人で来ている人が少なくない。
ところで、この店には独特のルールがあって、5人以上のグループはお断りだし、滞在は2時間以内が制限。
とにかく、大声を発したり、酔っぱらいは御法度で、みんな静かにたたずみながら飲んでいる。
(秋葉原風景81=百飲の店内)
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)
A4
138
ISBN978-4-88318-063-9
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
溶接学会 溶接法研究委員会
B5判
258頁
ISBN:978-4-88318-060-8
価格:13,200円(本体価格:12,000円)