秋葉原日記 (ライブラリ)

日本伝統工芸展

 日本橋三越本店で開催されている。今年が58回目だというが、足を運んだのは数年ぶりだった。
 陶芸や漆芸、金工などと工芸各分野に及んでいて、総数600点以上もの作品が展示されていた。
 門外漢だし専門的なことは何もわからないのだが、見て美しいと思う作品が少なくなくて、随分とじっくり見学した。技術的にもどうやって作ったのかと感心させられたものが数多くあった。
 素人ながら斬新な美しさを感じた一つが庄村久喜「白妙磁彩鉢」だった。白磁とも違うし陶器とは思われない、印刷の世界で使われるマットホワイトな白さがあり、鉢というには伸びやかな直線のすっきりとした大ぶりの形も面白かった。どうやって焼いたものか絹のようなやわらかさを感じた。とくに放射状に交互に繰り返されるかすかな濃淡の模様が新鮮だった。昭和49年生まれとあったから、この世界では中堅どころなのだろうか。
 会場を回っていてふと考えさせられた。伝統工芸とそうではない工芸(あるとすればだが)どう違うのだろうかということ。そしてもう一つ進んで工芸と芸術とはどう違うのだろうかということも。
 ただ、どの作品も緻密だし卓越した技能というものを感じるのだが、破壊とか暴力とか、爆発とかということを感じさせるような作品はなかったように思った。
 もっともこれは未熟者の勝手な感想であって、実際には斬新さも革新性も高いものだったのだろう。それを感じるにはもう少しこの世界に足を繁く運ぶ必要があるのだろう。

nihondentokogeiten.jpg

バックナンバーへ

お勧めの書籍