秋葉原日記 (ライブラリ)

映画『ゴーストライター』

 鬼才ロマン・ポランスキー監督作品。
 なかなか面白いミステリー映画。終始緊張感もあって途中ゆるむことなく一気に観させる。最後には驚愕のどんでん返しが待っていてミステリーとしてもよくできていて上等。
 ポランスキーといえば、幻想的でおどろどろした初期の『ローズマリーの赤ちゃん』や、近年ではポーランド人としてのアイデンティティが難しかった『戦場のピアニスト』などが印象深いが、本作は純粋に極上のエンターテイメントとして楽しめた。
 ゴーストライターとは、自伝などの代作を手がける作家のことで、政治家や芸能人の作品でゴーストライターの手になるものが相当数に上ることはよくしられている。
 さて本作品。ゴーストのところへ元英国首相ラングから代筆の依頼が届く。ゴーストを指名したのはラングの妻ルース。
 実は代筆には前任者がいて、原稿も大半が仕上がっている状態。それをブラッシュアップして最終的にまとめればいいということで、それだけなのに報酬は25万ドルと高額。前任者がフェリーから海に飛び込んで自殺をしていて急遽ゴーストに依頼があったのだった。
 前任者が書いた原稿はいかにもお粗末で、ゴーストはラングを相手に取材のし直しをすることに。
 それで取材を進めるうちにゴーストはラングの過去に不可解なものを感じ始め、さらに前任者の死に対しても不審なものが浮かび上がってくる。
 次第にラングとCIAとの関係が浮かび上がってくるのだが、前任者が残した手がかりをたぐっていくうちに巨大な陰謀にたどり着く。
 そして驚愕のラストシーンへと向かうのだが、隠蔽しなければならないラングの秘密とは何なのか、この謎が容易には解けない。
 政治家としては終始テロに立ち向かい、アメリカとの協調を最優先にするラングだったが、最後には自身がテロの凶弾に倒れることになる。
 ミステリーとしてのエンターテイメント性に加え、近年の政治情勢も反映したぶ厚い内容となっていた。

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(写真は映画の公式ブログから引用=画面はラストシーンの模様)

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