秋葉原日記 (ライブラリ)

台湾を鉄道で一周

 昨日は、高雄から鉄路台東、花蓮を経て台北に至った。台湾の東側を北上してきたわけである。一昨日は台北から高雄まで高速鉄道で西側を南下してきたからこれで台湾を鉄道で一周したこととなる。
 前日、高雄に着いてまずは切符を買いに高雄駅へ。
 何はさておき時刻表を入手しようとしたのだが、これは台北もそうだったのだが、冊子になった全駅時刻表は販売していないといい、高雄駅からの発駅と着駅のみを記したB4版のコピーをくれた。
 下調べもしてきたことだし、この時刻表を使って旅程を組み立てた。
 できあがったメモを持って窓口に並んだのだが、この年配の窓口氏は恐ろしく無愛想で、メモを一つ一つチェックしながらすべての切符に「没有」(メイヨウ=ない)を繰り返すのみ。
 呆然として頭を抱えてしまったが、基本的に台湾の鉄道は全席指定だし、切符がなくては旅行ができない。
 そこで、出直してコピーしてもらった時刻表を広げて再交渉したところ、希望のものはないが他の列車ならあるという。ただし、それも花蓮までだという。仕方がない。花蓮から先は花蓮に着いてから購入することとし、とりあえず花蓮までの切符を確保。
 しかし、花蓮‐台北間は最多客区間。切符がないままでは不安だし、今度は人の良さそうな中年の女性の窓口に並んだところこれが大正解。
 いろいろ調べてくれて見つけてくれた。そうするとさっきの窓口氏は何なのかということになるが、ともあれ切符はきちんと台北まで繋がった。
 さて、高雄駅。改札口は2階。ここから跨線橋があって各ホームに下りる仕組み。
 自分の列車は6時40分発きょ(くさかんむりに呂)光号91列車。2Bホームに停車中のところ先頭から編成を見て回った。
 先頭は電気機関車で、次が電源車。客車は3両目からで8両。日本では珍しくなった客車列車というわけである。きょ光号は日本でいえば急行のような位置づけ。
 しかし、車内に入ると全席リクライニングシートでゆったりしている。日本の在来線特急と変わらない。早朝の列車なのに満席である。
 定刻の発車。頻繁に停車する。ほぼ10数分ごとである。これがきょ光号たるゆえんというわけである。
 沿線は畑地である。バナナ畑が多い。工場が多かった西側とは大きな違い。大きな町もないようだ。
 枋寮8時04分。ここまでが屏東線で、この先が南廻り線である。
 枋寮を出たらしばらく海が見えていたがそのうちトンネルが続きだした。半島を横切っているのである。
 大武8時45分。ここで自強号に抜かれた。自強号は特急列車で高雄を7時12分に出た列車である。
 ここからまた右窓に海が見えて来た。紺碧の海がさんさんと輝いていて大変美しい。
 そうこうして台東10時07分着。きょ光号だから随分とのんびりした運行だった。3時間30分ほど要したが、これが自強号なら2時間20分である。高雄を出てからぽつりぽつりと下車していき、結局、台東まで乗ってきたのは20人に満たなかった。台東までの客は自強号に回ったのである。
 台東はこのあたりの中心都市だが、町は駅から離れているようで、駅前には見事に何もいなかった。駅の売店でおにぎりを買ってお昼に備えた。大きな駅にはセブンイレブンが必ずといっていいほどにある。品揃えも日本と似ている。
 台東10時57分発自強号2059列車。高雄を8時45分に出てきた列車である。下りた人は多かったが乗った方は少なかった。
 台東からは花東線となるが、台東を出て海からは離れたようで、沿線には田園地帯が広がっている。水稲だが、田植えをしたばかりのようなものも見受けられるから、あるいは2期作なのかも知れない。
 車窓両側に山が連なっていて、その間の平地を列車は走っているのだが、何故か既視感にとらわれる。日本と似たような風景だからであろう。
 花蓮12時50分着。定刻より5分も早かった。
 しかし、これで助かった。当初、7分しか乗り継ぎ時間がなかったのだが、次の列車が見あたらないのである。右往左往して見つからない。花蓮にホームは3面しかない。見落とすはずもない。
 駅員に尋ねてわかったが、それは何と屏東行きだったのである。屏東は先ほど通ってきたばかり。それが台北経由などとは見当もつかない。席に着いたら列車が動き出した。きわどいところだった。列車が5分早く着いてよかった。
 結局、花蓮では途中下車をする間もなかったが、花蓮は宝石の加工業が盛んだし、一大景勝地太魯閣渓谷への最寄り駅でもあって観光の拠点。この日の駅構内も大変賑わっていた。
 さて、花蓮13時03分発自強号1031列車である。
 台湾はほぼ九州と同じ面積。花蓮を大分とすると、この列車は博多、熊本、鹿児島を経由して都城行きといった見当で、大変な大回り路線である。
 列車はやはり満席。立っている人もいる。台湾は鉄道の運転密度は低いようである。本数が少ないから各列車ともに混んでいる。
 花蓮から台北間はかつて往復したことがある。そのときも帰路の切符が手に入りにくくて往生した記憶がある。
 台北には15時55分到着。
 2日がかりで台湾を鉄道で一周した。台湾の高速鉄道にも乗ることができたし、台湾一周もできたし、阿里山鉄道にこそ乗れなかったが、台湾鉄路の旅を堪能したのだった。

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(台湾鉄路一周の中間点高雄駅)
   

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