秋葉原日記 (ライブラリ)

不老不死温泉

 このたびの秋田県から青森県にかけて日本海沿いを巡る旅では念願の不老不死温泉に立ち寄ることができた。
 不老不死温泉は青森県の最西端に位置する艫作崎の突端にあり、日本海の波打ち際に湧き出した露天風呂として有名である。
 五能線の沿線にあり、艫作駅からもさほど遠くはない。五能線は大好きな路線で、これまでも冬となく春となく秋となくたびたび乗ってはいるのだが、いかんせん五能線は不便な路線で、ひとたび途中下車をしてしまえばここに宿泊しない限りはその後の行動が大きく制約されることとなる。それで、ここを通るたびに残念な思いをしていたのだった。
 このたびは秋田市街から車でやってきた。約2時間の道のり。秋田から能代までは秋田自動車道があり、能代からは国道101号線をひたすら北上することとなる。
 途中、能代からはほぼ全線を日本海沿いに五能線と並行して走る。五能線もこのあたりはハイライト区間で、車で走ってもなかなかの景観路線だった。
 艫作崎は国道を左折してほどないところで、高台に艫作崎灯台があり、その麓に不老不死温泉があった。
 一軒宿だが本館と新館二つの大きなホテルがあって、ひなびた秘湯を想像していたのでこれはがっかり。しかも、大型観光バスが横付けしているし、駐車場は全国各地のナンバーをつけた自家用車で満杯という有様で2度目のがっかり。
 ホテルのフロントで入浴料600円也を払っていざ風呂へ。まず、内風呂でからだをざっと流した後、海岸の露天風呂へ。このため、内風呂からあがって再び着替えて露天風呂へ向かわなければならないからこれはなかなかやっかい。露天風呂はホテルから50メートルほど離れている。
 しかし露天風呂はよかった。波打ち際に岩を組んで風呂場にしており、混浴と女湯の二つがある。
 湯船はコンクリートでひょうたんの形に組んである。
 湯船に浸かると目線が水辺線の高さとなる。波が湯船のすぐそばまで押し寄せてくる。なかなか野趣あふれる絶景の温泉である。
 お湯は黄土色。口に含むとしょっぱくて口が痺れる。よほど鉄分と塩分が多いのだろう。ナトリウム‐塩化物泉という。
 源泉に加水して掛け流しており、湯量もまずまず。源泉温度は49度といい、湯温は41度くらいか。夏場だからこれでも熱いくらいでちょうどよかった。
 この不老不死温泉は夕日が絶景となることで知られており、ひとり夕日を眺めながらしみじみと湯に浸かっていたらそれこそ極楽だろうなと思われたのだった。
 なお、不老不死温泉からの帰途は、世界自然遺産白神産地のうち、十二湖周辺を散策した。森の中は清浄で、森林浴は心地よい汗をかかせてくれるようだったし、温泉浴と森林浴と二つの入浴を楽しむことができたのだった。

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