秋葉原日記 (ライブラリ)

入道崎

 昨日までの連休では秋田市を拠点に秋田県の入道崎から青森県の艫作崎を巡ってきた。
 まずは入道崎へ。
 入道崎は男鹿半島の西北端に位置する。秋田市街からは車で約1時間の道のり。随分と便利になった。
 この岬を訪れるのは20数年ぶり2度目だが、かつては日に数本しかない鉄道とバスを乗り継いで約2時間を要していた。それも日中の便利のいい接続は1本しかなくて、帰途は日がすっかり暮れてしまっていた。もっともその事情は現在も変わってはいなくて、鉄道とバスを乗り継いではなかなか不便なところだ。
 初めて訪れたのは真冬のこともあって、ほかに人影の一つもない岬を寒さに震えながらうろつき回っていたものだった。
 それが今回訪れて驚いた。岬には土産物屋が軒を並べ、観光バスと自家用車が押し寄せていた。
 この頃の岬はどこもそうで、観光地として道路が整備され、大勢の観光客が気軽に車で訪れるようになっていて、かつてのように岬も秘境といえるような風情は少なくなった。
 岬は草原になっている。とても開放感のある台地で、芝生に寝転がっている家族連れもいる。
 しかし、海岸線はとても険しくて、海岸段丘が海蝕崖となって30メートルもの絶壁をつくり、荒々しい風景を見せている。
 岬には入道埼灯台が立っている。座標は北緯40度00分18秒、東経139度42分06秒である。なお、灯台名の場合には崎や岬ではなく埼と当てる場合が多い。これは海上保安庁の用語例によるもののようだ。
 灯高の割に胴回りが太くややずんぐりしているものの、堂々たる貫禄が感じられる。黒と白の縞模様だからなおさら厳つく感じる。なお、黒と白あるいは赤と白の模様をした灯台は雪国によく見られるもので、これは雪原に白堊の灯台では見分けがつきにくいからであろう。
 灯台には登ることができて、灯頂からは日本海をどこまでも見渡すことができる。後背地に目を向けると、この岬は大きくも鋭く突き出ていることがわかる。眺望は大きく両手を広げて余るほどに開けている。この日は曇っていて風もさほど強くはない。
 灯台のそばにはちょうど北緯40度00分を示す石碑が建っている。それによると、同緯度にはアメリカのフィラデルフィア、中国の北京、トルコのアンカラがあるということである。
 入道崎は開けすぎてしまってそのことはやや残念だが、岬そのものは穏やかな草原状の風景と切り立った断崖の険しさを併せ持ってなかなか魅力的である。

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