国立新美術館で開催されている。
ワシントンナショナルギャラリーは、12世紀から現代に至る西洋美術約12万点を収蔵する世界有数の規模と質を誇る美術館だが、今回は特にコレクションの中から印象派とポスト印象派の作品83点が展示されていた。
なかなか充実した展示で、マネ「鉄道」、パジール「エドモン・メートル」、ドガ「アイロンをかける女性」、モネ「日傘の女性、モネ夫人と息子」、ルノワール「アンリオ夫人」、セザンヌ「赤いチョッキの少年」、スーラ「オンフルールの灯台」などが並び、印象派好きにはこたえられない構成となっていた。
この中では、カミーユ・ピサロの「麦わら帽子をかぶる農家の少女」がよかった。1881年の作品だが、点描を応用した描き方のようで、素朴さと優しさがにじみ出ていた。ピサロはアナキズムに信奉していたというが、政治性よりも慈愛に満ちた敬虔さが感じられた。
また、ゴッホの「バラ」(1890年)が印象的だった。精神に異常をきたしたゴッホだが、その最晩年にこのような美しい絵を描けるというのも驚くことで、白とクリーム色のバラを描いて絶妙の色遣いとなっていた。
ところで、会場を巡っていて見たことのある絵が多いなと感じていたが、それもそのはず、このワシントンナショナルギャラリーには35年前に訪れたことがあったのだった。それで、何か懐かしい友人たちに邂逅したような気分だった。
(カミーユ・ピサロ「麦わら帽子をかぶる農家の少女」=会場で販売されていた絵はがきから引用)
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)
A4
138
ISBN978-4-88318-063-9
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
溶接学会 溶接法研究委員会
B5判
258頁
ISBN:978-4-88318-060-8
価格:13,200円(本体価格:12,000円)