秋葉原日記 (ライブラリ)

2種目制覇

 昨日都内のホテルで行われた第56回全国溶接技術競技会の表彰式。
 特筆すべきは、炭酸ガスアーク溶接の部で最優秀賞に輝いた愛知県代表松浦洋さん(豊田自動織機)。
 松浦さんは前回55回大会でも被覆アーク溶接の部で最優秀賞を獲得しており、これによって2年連続で最優秀賞を獲得、2種目制覇を達成した。
 全国溶接技術競技会は溶接の技量を競うコンクールで、日本溶接協会の主催、産報出版の協賛。大会には全国47都道府県の予選を勝ち抜いた代表が出場、被覆アーク溶接の部と炭酸ガスアーク溶接の部の2種目で実力溶接日本一を競っている。
 言わば全国の溶接技能者の頂点に立つもので、全国の腕自慢が熾烈な競争を行っていて、入賞を果たすだけでも大変な難関。とくに上位の実力は伯仲しており得点差は僅差。
 一つの種目だけでも最優秀賞を獲得することは至難なことなのに、松浦さんはついに2種目を、それも2年連続でやり遂げてしまった。これは史上初めての快挙である。
 松浦さんとはかつてインタビューをしたことがあって面識があるのだが、松浦さんは現在26歳、溶接の世界ではちょうど油がのりはじめた年代。
 溶接の申し子あるいは天才といってよいのだろうが、溶接の技能を徹底したデータ分析をもとに理詰めで追求していくタイプで、そういった意味ではまさしく現代らしい技能者ともいえるのだろうし、競技にあたっては抜群の集中力を発揮している。
 また、まったくタイプの違う2つの溶接技量を必要とする溶接方法をそれぞれに極めるというのも研究熱心ぶりと日頃の修練によるものともいえるだろう。
 全国溶接技術競技会は、切磋琢磨することによって溶接の技量の向上を図っていると同時に、溶接の技術の普及と技能の伝承に大きな役割を果たしており、日本のものづくりを支えているコンクールと評価することもできそうだ。

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(2種目制覇した松浦洋さん)

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